2023年がやってきました。今年はうさぎ年ですね。
ぴょんぴょん跳ねるうさぎは「飛躍」を意味するので、とても縁起の良い動物と言われています。
そんなうさぎに親しみをもてる絵本の中から、良書だと思うものをピックアップしました。
おすすめ年齢を参考にして、ぜひこの機会にお子さんと読んでみてください。
目次
『おさじさん』松谷みよ子 /文、東光寺 啓 /絵
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【内容】20ページ
おいしいにおいにさそわれて、うさぎのぼうやのところに、おさじさんがやってきました。
うさぎのぼうやは、とろとろあつあつのおかゆを食べようとしますが、おかゆに鼻をつっこんでしまい、「あっちっち」「えーんえーん」。
でもだいじょうぶ。おさじさんがお手伝いします。「ああ おいしい」とうさぎさんは笑顔になりました。
離乳食を食べはじめたあかちゃんとお母さんお父さんにとって、おさじさんは身近な存在。
絵本でおさじさんと仲よしになると、ごはんの時間も楽しくなりますね。
110万部をこえるロングセラーあかちゃん絵本です。(童心社)
【manpukuポイント】
1969年に発売され、今も読み継がれている赤ちゃん絵本です。
優しくどこか懐かしい絵と、赤ちゃんの気持ちに寄り添った言葉で、親子の時間を温かなものにしてくれます。
【おすすめ年齢】
0歳から
『うさぎ』ジョン・バーニンガム
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【内容】20ページ
小さい人が最初に出会う絵本として、定評のあるシリーズです。何気ない日常生活のスケッチの中に、子どもが感じ取ったドラマを伝えています。(冨山房)
【manpukuポイント】
うさぎを飼っている男の子のお話です。
赤ちゃん絵本を多く手がけるジョン・バーニンガムさんの絵が素朴で可愛らしく、文章も少ないので、読み聞かせに慣れていないお子さんにもぴったりです。
【おすすめ年齢】
2〜3歳から
『わたしのワンピース』にしまき かやこ
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【内容】44ページ
空から落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作りました。それを着てお花畑を通るとワンピースは花模様に、雨が降ると水玉模様に…、次々と柄が変わります。日本を代表するファンタジー絵本。(こぐま社)
【manpukuポイント】
真っ白なワンピースを着たうさぎさんが体験する不思議な冒険。作者の自由な発想に子どもも大人もワクワクするはず。
小さい子に一度は味わってほしい名作絵本です。
【おすすめ年齢】
3〜4歳から
『うさぎをつくろう』レオ=レオニ
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【内容】32ページ
はさみとえんぴつは、それぞれうさぎを作りました。
おなかをすかせたうさぎ達が本物のにんじんを見つけ、食べてみると…。(好学社)
【manpukuポイント】
教科書に載っている『スイミー』や『アレクサンダとぜんまいねずみ』でお馴染みのレオ=レオニの絵本です。
紙を切り抜いて作られたうさぎと、鉛筆で描かれたうさぎ。そこに現れたにんじんには「影」があります。
表現としての実験を見ているような面白い作品です。本物とそうじゃないものの違いって何なのでしょう?
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『いなばの白ウサギ』谷 真介 /文、赤坂 三好 /絵
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【内容】32ページ
嵐で小島に流されたウサギは、故郷に帰りたくて仕方ありません。
そこで、鮫たちを踏み石にして海を渡ろうと企てます。だましおおせると思ったウサギでしたが…。
バチがあたって改心する、十二支の「ウサギ」の昔話。『十二支むかしむかし』シリーズです。(佼成出版社)
【manpukuポイント】
『古事記』に載っている日本の神話の一つを、絵本にしたものです。
古事記を全部読むのは大変かもしれませんが、こんなふうにお話を取り出して、絵本になっていると読みやすいですね。
【おすすめ年齢】
1~2年生から
『うさぎのさとうくん』シリーズ4冊、相野 谷由起
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【内容】
うさぎのかぶりものをした男の子、さとうくん。淡々と過ごす毎日のなかに、楽しいこと、うれしいことが起こります。
詩的な文章と、中間色を多用したやさしいタッチのイラストが、見る人の心をあたたかく包みます。(小学館)
【manpukuポイント】
独特の世界観が味わえる人気のシリーズです。
不思議な出来事を穏やかに受け入れ、のんびり暮らすさとうくんがとても魅力的。子どもだけでなく大人も楽しめる絵本です。
【おすすめ年齢】
1〜2年生から
たまたま手に取って読んでみると、想像と違う内容で、一気にファンになってしまいました。
『うさぎのさとうくん あさひ』は12月に出たばかり。なんと8年ぶりの新刊だそうです。
『ミッフィーさんと』シリーズ3冊
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【内容】
ある日ミッフィーは、3人の絵かきさんの絵と出会います。
さあミッフィーといっしょにこどもの目になって、名画を観てみませんか?(美術出版社)
【manpukuポイント】
子どもと美術館に行くときのヒントになる、アートな絵本のシリーズです。
それぞれの画家の作品がたくさん出てきて、それらについて親子で会話しているよう文章が添えられています。
「こりゃ なんだあ?」など子どもらしい率直な言葉も多くて、くすっと笑えます。美術館って、親子でこんなふうに肩の力を抜いて、楽しめばいいんですね。
【おすすめ年齢】
5〜6歳から
『しろいうさぎと くろいうさぎ』ガース・ウィリアムズ
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【内容】30ページ
白いうさぎと黒いうさぎは、毎日いっしょに遊んでいました。
でも、黒いうさぎはときおり悲しそうな顔で考えこんでいます。
心配になった白いうさぎがたずねると「ぼく、ねがいごとをしているんだよ」と、黒いうさぎはこたえます。
黒いうさぎが願っていたのは、白いうさぎといつまでも一緒にいられることでした。
それを知った白いうさぎはどうしたでしょうか?
結婚式の贈り物に選ばれることも多い、優しく柔らかな2匹のうさぎの物語。(福音館書店)
【manpukuポイント】
長く読み継がれる、静かな愛と祈りを描いた絵本です。
幼児から大人まで、読む人の年齢や立場によって感じるものが変わってくると思います。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
白いうさぎと、黒いうさぎには、作者の人権問題への思いも込められていると言われています。
プロポーズに贈る人もいる素敵な絵本ですが、いろいろな読み方ができるんですね。
『ごろりん ごろん ころろろろ』
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【内容】32ページ
うさぎさんがみんなで使える大きなテーブルを作りました。重たくて、運ぶのに「うんとこ、ごろりん」。ところが、その音がだんだん軽くなって…。(ひさかたチャイルド)
【manpukuポイント】
人気絵本『どうぞのいす』の続編です。
優しい優しいうさぎさん。みんなのために汗を流すうさぎさんの姿に、親子で心温まる絵本です。寝る前の読み聞かせにぴったりです。
【おすすめ年齢】
3〜4歳から
『うんちっち』
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【内容】31ページ
うさぎの子が言う言葉はただひとつ。いつでもどこでも、うんちっち。ところがある時…。
子どもたちへの読み聞かせで大人気! フランスのロングセラー絵本。(あすなろ書房)
【manpukuポイント】
うんちの絵本というわけではなく、お母さんやお父さんが何を聞いても「うんちっち」しか答えなくなってしまった、小さな男の子のお話です。
起承転結のテンポが良く、「うんちっち」という言葉の響きも絶妙で、最後まで楽しく読める絵本です。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『うさぎの子シモン』シリーズとして、ほかに『あっ、オオカミだ!』と『ちびちっち』も出ています。
Eテレでアニメ化もされていましたね!
『うさぎのパンやさんの いちにち』かこ さとし
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【内容】26ページ
かこ先生が実際のパン屋さんに行き、取材を重ねたうえで描かれた作品。
お話は、パン工場の朝から始まります。パンがどのように作られ、お店に並び、子どもたちの給食として届けられるのか。
夜、パン工場が眠りにつくまでの一日が、楽しい絵で描かれています。読むだけで社会科見学に行ったみたいな気分が味わえる一冊です。
美味しいパンが食べたくなること間違いなし。もしかしたら自分で作ってみたくなっちゃうかも!?
そんな人は、この絵本を見ながら、是非お母さんやお父さんとパン作りにトライしてみてください。(復刊ドットコム)
【manpukuポイント】
たくさんの種類のパンが並ぶ店内。パン屋さんの一日は製造に接客に大忙しです。
あんパンやメロンパンなど子どもにとって親しみやすい名前だけでなく、大人でも初めて耳にする名前も多く、さすが加古里子さんの絵本だなと思います。
子どもを子ども扱いせず、正しく豊富な知識を差し出す。核家族が定着した現代、加古さんの絵本は宝物です。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『うさぎのぱんと ぶたのぱん』小沢 正 /文、西川おさむ /絵
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【内容】63ページ ※絵本でなく幼年童話です
ころすけはいつも買うぶたぱんをやめてうさぎぱんを買いました。
ひとくち食べると、そのうまいこと! ぱくっと食べるとうさぎのすがたに変身!(小峰書店)
【manpukuポイント】
初めての童話にぴったりの読みやすいお話が2つ入っています。
表紙はほのぼのとした絵が目を引きますが、お話は「不思議なパンによる変身」が効果的に使われていて、一度読み出すと先が気になってしまいます。
小さな子でもハラハラドキドキしながら、自然とお話の世界に入っていける一冊です。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『うさぎのにんじん』中川 李枝子 /文、山脇 百合子 /絵
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【内容】
うさぎさんが育てた沢山のにんじん。ぞうさん、ぶたさん、あひるさん、みんなでたべたら、あら不思議、体が赤くなってしまいました。タオルでふいても、セッケンで洗っても落ちません。(復刊ドットコム)
【manpukuポイント】
『ぐりとぐら』でお馴染みのお二人の絵本です。
不思議なにんじんを食べて赤くなってしまった動物たち。元に戻るためのヒントは、食事の後の挨拶にありました。
【おすすめ年齢】
3〜4歳から
『うさぎのおうち』
マーガレット・ワイズ・ブラウン /文、ガース・ウィリアムズ /絵
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【内容】32ページ
はるのあかるいひざしのなか、こうさぎがじぶんのいえをさがしにでかけました。でも、うさぎのいえは、なかなかみつかりません…。
絵本の黄金コンビ、M・W・ブラウンと、G・ウィリアムズの名作絵本。(ほるぷ出版)
【manpukuポイント】
美しい挿し絵と、途中までちょっぴり切ないお話が印象的な絵本。
こうさぎは無事にぴったりの家を見つけられたのでしょうか。心温まる結末です。
【おすすめ年齢】
2〜3歳から
『うそうさぎ』谷川 晃一
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【内容】28ページ
耳が長いからといって「うさぎ」とはいえません。
虎模様の「うさぎとら」や、体はかばの「かばうさぎ」そして「うさぎゆうれい」までページをめくるごとにおかしな「うそうさぎ」が登場します。「うさぎピカソ」もいますよ。
多彩な表現を駆使して楽しく、美しく表現された「うそうさぎ」たち。ちょっとおかしなことばといっしょに、お楽しみください。
そして自分の「うそうさぎ」もぜひ作ってみてください。(福音館書店)
【manpukuポイント】
ユニークな絵本をたくさん作られている谷川晃一さんの絵本です。一度ハマるとほかの絵本も読んでみたくなりますよ。
【おすすめ年齢】
5〜6歳から
『いつつごうさぎのきっさてん』まつお りかこ
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【内容】33ページ
お店とお家がいっしょになったトラックに乗って、いろんなところを旅するいつつごうさぎ。
着いたところはいちご畑。真っ赤ないちごをたくさんつんで、トラックの台所でお料理をはじめます。
「いらっしゃいませー!いつつごうさぎのきっさてん、かいてんしまーす!」(岩崎書店)
【manpukuポイント】
とっても可愛い絵本です。ほかに『いつつごうさぎと うみのほうせき』『いつつごうさぎと ゆきのもり』もあります。特設サイトにぬりえと着せ替えあり。
【おすすめ年齢】
3〜4歳から
『かあさんうさぎと金のくつ』
デュ・ボウズ・ヘイワード /文、マージョリー・フラック /絵
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【内容】80ページ ※絵本でなく幼年童話です
あこがれのイースターうさぎになったかあさんうさぎは、子どもたちに留守をまかせて…?
カラー挿し絵多数の幼年童話。(徳間書店)
【manpukuポイント】
「イースターバニー」になることが夢のかあさんうさぎ「フワフワ」。なんとたくさんの子どもたちを産んだあとに実現させます。
諦めずに願い続ければ叶う、そんなメッセージを届けてくれます。
【おすすめ年齢】
3〜4年生から
大人の女性、子育てを始めたばかりのお母さんにも、ぜひ読んでほしい一冊です。勇気をもらえます。
『かちかちやま』おざわ としお /再話、赤羽 末吉 /絵
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【内容】32ページ
全国に分布しているたくさんの「かちかちやま」話の中から、昔話研究の第一人者である小澤俊夫さんが選んだ決定版です。
おじいさんの大切なおばあさんを殺したたぬきの仇をとるべく、勇敢で賢いうさぎは、あれよこれよとたぬきに仕返しをします。
たぬきはうさぎの言うことを信じて、痛い目に遭い、最期は…。
美しい自然を背景に、うさぎとたぬきの息をのむ対決がくりひろげられます。(福音館書店)
【manpukuポイント】
これぞ日本の昔話という感じ。読み上げているときに心地よく、ドキドキする展開が圧倒的に面白く、読んだあと確かに残る教訓。小さい子から小学生まで、幅広く楽しめます。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『うさぎとかめ』ジェリー・ピンクニー
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【内容】33ページ
うさぎとかめが、どちらが速く走れるかで言い争いになりました。では競争をしようと、きつねの合図で走り出しましたが…。
イソップの世界を、音やにおいまでも感じさせる大迫力のイラストで語る、コルデコット賞受賞の姉妹作。(光村教育図書)
【manpukuポイント】
『かちかちやま』に続き、こちらも小さいうちに読んでおきたいうさぎが登場する昔話。
この絵本は絵に迫力があって、レースをしている雰囲気が伝わってきます。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『けんた・うさぎ』中川 李枝子 /文、山脇百合子 /絵
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【内容】109ページ ※絵本でなく幼年童話です
きのうはいたずら・うさぎ、きょうはあべこべ・うさぎ、あしたは…。
幼い子どものはずむような日々を、リズミカルな文と愛らしい絵で描いたおはなし。(のら書店)
【manpukuポイント】
中川李枝子さんらしい小さな子のありのままの姿を捉えたお話が入っています。初めての幼年童話にぜひ。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『チム・ラビットのぼうけん』
アリソン・アトリー /文、中川 宗弥 /絵
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【内容】192ページ ※絵本でなく幼年童話です
子うさぎのチムの成長を温かくとらえた珠玉の童話を、名訳と流麗なさし絵でおくる。(童心社)
【manpukuポイント】
美しい日本語で訳されています。小学校低学年の一人読みにもぴったりです。文章が多いので4歳以下には難しいかなと思います。
【おすすめ年齢】
5〜6歳から
『くいしんぼうさぎ』せな けいこ
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【内容】32ページ
たべるのが大すきなくいしんぼうさぎ。あるひ、からだが地面にしずみ地球の反対がわへ。おうちへかえりたいくいしんぼうさぎは…。(ポプラ社)
【manpukuポイント】
卯年の一年にはぜひ、せなけいこさんの絵本を。たくさんうさぎの絵本がありますが、私のおすすめはこの『くいしんぼうさぎ』! 地球に反対側に行ってしまうほどのくいしんぼう。必見です。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『9ひきのうさぎ』せな けいこ
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【内容】32ページ
きたよ、きたよ、キャベツの季節! つきよの晩、たろうちゃんの畑に大よろこびでしのびこんだ9ひきのうさぎさんですが…。(ポプラ社)
【manpukuポイント】
可愛くて、スリリングで、とっても楽しいお話です。数字が好きな子は9匹のうさぎを数えるのも楽しいと思います。最後に出てくるキャベツ料理もおいしそう。
【おすすめ年齢】
3〜4歳から
『うさぎまじっく』せな けいこ
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【内容】24ページ
手品師のおじさんの帽子から耳をつかんで引っ張り出されるのはもうまっぴら。そうだ、ぼくだって!…と、うさぎはマジックの本で勉強します。
そうとは知らないおじさんが、いつものようにうさぎを出したとたん…。(すずき出版)
【manpukuポイント】
こちらもせなけいこさんのうさぎ絵本。テーマはマジシャンです。
小さな子が楽しめるお話と、切り絵ながら細かな心情が伝わってくる絵がマッチして、せなさんの絵本は本当にどれも面白いです。
【おすすめ年齢】
4〜5歳から
『ビロードのうさぎ』
マージェリィ・W・ビアンコ /文、酒井 駒子 /絵
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【内容】36ページ
ある日、ぼうやのもとにやってきたビロードのうさぎ。
子どもに心から愛されたおもちゃにおとずれる「子どもべやのまほう」の話を耳にします。
やがて、ぼうやにとってかけがいのないものになったうさぎは… 酒井駒子の繊細な絵と抄訳で名作がよみがえります。(ブロンズ新社)
【manpukuポイント】
酒井駒子さんの美しく繊細な絵で彩られた、切なく、悲しく、考えさせられるお話。現代の子どもたちはどう感じるのでしょうか。ぜひ一度親子で読んでみてください。
【おすすめ年齢】
5〜6歳から
うさぎは世界中で人気の動物ですね。
さまざまなテーマ・切り口で、たくさんの絵本が作られていることがわかりました。
2023年1月時点で購入できる絵本・幼年童話を中心に選んだので、ぜひ絵本選びの参考にしてください。
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