どう答える?「サンタって本当にいるの?」

クリスマス時期になると、プレゼントの準備に親もそわそわ……。

イブの夜、ツリーの下や枕元にプレゼントを置くまでが、毎年のミッションになっている親御さんも多いのではないでしょうか?

翌朝子どもたちの喜ぶ顔を見ると嬉しいですよね!

ただ、小学校低学年くらいになると、「サンタって本当にいるの?」という質問に困惑することも増えてきます。

いったいどう答えたらいいの!? 今日はそんな疑問にお答えします。

目次

本当のことを伝える? 伝えない?

我が家の長男も、入学してお友だちと話すうちに、サンタクロースへの疑いを深めるようになりました。

小1「いないって言ってる子がいた」「親だって言ってた」
小2「本当はお母さんが置いてるんでしょ?」
小3「もうわかってるよ」「トイザらスで買って、お母さんが包んでるよね」

もう万事休すだと思いました(笑)
でもまだ信じたがっているような雰囲気もあったので、どう答えたものか迷いました。

そこで思い出したのが、絵本・児童文学研究センターの講義で紹介されていたこの絵本です。

『サンタクロースって いるんでしょうか?』F.P.チャーチ

【内容】30ページ
子どもの質問に答え、目に見えないもの、心の大切さを語りかけた100年前のアメリカの社説です。大人にもぜひ読んでほしい本。(評論社)

【おすすめ年齢】
3〜4年生から
1897年、『ニューヨーク・サン』という新聞(当時)の社説として載ったものが、そのまま翻訳された作品です。

8歳のバージニアという女の子が、「サンタクロースって、ほんとうに、いるんでしょうか?」という質問を手紙で送り、記者が丁寧に答えます。

深い見識と愛情に満ちたその社説は、毎年クリスマス時期になると再掲の依頼がくるほどだったそうで、100年以上たった今でも世界中で読み継がれています。

表紙をはずしても素敵な絵本。赤い布張りになっています

記者の返答は、次のようなものでした。

●バージニア、おこたえします。サンタクロースなんていないんだという、あなたのお友だちは、まちがっています。

●サンタクロースがいるというのは、けっしてうそではありません。この世の中に、愛や、人へのおもいやりや、まごころがあるのとおなじように、サンタクロースもたしかにいるのです。

●サンタクロースがいなければ、人生のくるしみをやわらげてくれる、子どもらしい信頼も、詩も、ロマンスも、なくなってしまうでしょうし、わたしたち人間のあじわうよろこびは、ただ目にみえるもの、手でさわるもの、かんじるものだけになってしまうでしょう。

●サンタクロースをみた人は、いません。けれども、それは、サンタクロースがいないというしょうめいにはならないのです。

●あかちゃんのがらがらをぶんかいして、どうして音がでるのか、なかのしくみをしらべてみることはできます。けれども、目にみえない世界をおおいかくしているまくは、どんな力のつよい人にも、いいえ、世界じゅうの力もちがよってたかっても、ひきさくことはできません。

ただ、信頼と想像力と詩と愛とロマンスだけが、そのカーテンをいっときひきのけて、まくのむこうの、たとえようもなくうつくしく、かがやかしいものを、みせてくれるのです。

サンタクロースがいない、ですって?

とんでもない! うれしいことに、サンタクロースはちゃんといます。

それどころか、いつまでもしなないでしょう。一千年のちまでも、百万年のちまでも、サンタクロースは、子どもたちの心を、いまとかわらず、よろこばせてくれることでしょう。

昨日、長男とこの絵本を読みました。

心を込めて読んだら、納得してくれたようで安心しました。

今の子どもたちは物質的に恵まれていて、プレゼントの中身だったり、長男のようにだれが買ったのかといったことに注目しがちです。それは仕方ないことだと思います。

でもこの絵本を読むと、サンタクロースなど「目に見えないもの」を信じることの大切さに気づけるはずです。

クラシカルな挿し絵がたくさん入っています。優しい文章にぴったりです

本当に大切なものは、目に見えないものであることが多い。
サンタクロースという存在は、宗教的な意味をこえて、子どもたちに大事なことを教えてくれます。

サンタクロースについての絵本は、他にもたくさん!

サンタクロースという存在に興味をもった子におすすめの絵本は、他にもたくさんあります。

今回は3冊ご紹介します。年齢に合ったものを読んであげてくださいね。

『サンタクロースってほんとにいるの?』てるおか いつこ /文、すぎうら はんも /絵

【内容】28ページ
「サンタクロースって本当にいるの?」「いるよ」「煙突がなくても、ドアにかぎがかかっていても?」
お風呂に入りながら親子が話しています。
「どうしてぼくのほしいものがわかるの?」「子どものほしがっているものがわかるひとだけがサンタになれるんだよ。」
お風呂から出たあとも子どもたちの問いかけは続きます。「どうしてそんなにたくさんおくりものができるの?」
親子の会話と愉快なイラストで、サンタの謎に迫ります。(福音館書店)

【manpukuポイント】
年中〜年長の何にでも疑問をもつ時期におすすめです。問答形式なのでとても読みやすいです。

【おすすめ年齢】
4〜5歳から

『クリスマスのまえのよる』クレメント・C・ムーア /文、ロジャー・デュボアザン /絵

【内容】32ページ
クレメント・C・ムーアは、アメリカの神学者。いまから188年も前の1823年のクリスマス、病気がちだった娘を笑顔にしようと、この詩を書きました。
いまでは世界中の常識ともなった、赤い服に白いひげ、ちょっと太った笑顔のサンタクロースのイメージは、この詩によって世界中に知られるようになったのです。(主婦の共社)

【manpukuポイント】
クリスマスの前の夜、家にやってきたサンタクロースを目撃したお父さん。その様子を、子どもたちに話して聞かせるのですが、なかなか臨場感があるんです。
ロジャー・デュボアザンの絵も素敵で、優しいサンタクロースの雰囲気が伝わってきます。

【おすすめ年齢】
5〜6歳から

『サンタ・クロースからの手紙』ベイリー・トールキン

【内容】48ページ
サンタ・クロースになりすましたトールキンが、20年以上にわたり子どもたちに贈り続けたクリスマス・レター。サンタ・クロースの北極での暮らしぶり、愛すべきまぬけな白熊のことなどをユーモラスに報告。トールキン自筆のファンタスティックな水彩画を収めた、美しいクリスマス絵本。(評論社)

【manpukuポイント】
『ホビットの冒険』『指輪物語』で有名なあのトールキンが、自分の子どもに送っていた「サンタからの手紙」をまとめた本です。愛情がつまっています。こんな手紙が書けたらいいのに!

【おすすめ年齢】
大人向け


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