読む力がすべての学びの土台に
読育(よむいく)という言葉を聞いたことはありますか?
「どくいく」と読む人のほうが多いようですが、私は「読む」という言葉が好きなので、「よむいく」と読んでいます。
すっかり定着した「食育」の、読書バージョンと考えるとわかりやすいかもしれません。
読育とは、幼児期から小学生時代の子どもが、本を読むことに慣れ親しみながら育つこと。
つまり、お母さん・お父さんのサポートが欠かせません。
読育を子育ての中で意識的に取り入れることで、いろいろなメリットがあります。
- 読書の楽しさを知る
- 本からたくさんの知識を吸収できる
- 読む力がつくので、将来的に「自学自習」へとつながっていく
①は、中学生以降に読書の楽しさを知る人もいると思いますが、小さい頃にしか読めない本・感じられないこと、というのがたくさんあるのも事実です。
②と③は、子どもが自分の見つけた目標に向かって、能力を発揮していくために大切なこと。
子どもに身につけてほしい「読む力」は、書かれている情報を正しく読み取ることはもちろん、それらをもとにして論理的に考えることまでを含んでいるからです。
読む力は、すべての学びの土台になります。
AI技術の一般化など、変化が激しい社会を生き抜くためには、そんな力がますます重要になっていくと思います。
読育を行うときは「つなげる」を意識
読育は、赤ちゃんから始めることができ、少なくとも入学前までに始めるのがおすすめです。
「本」に対する抵抗感が少ない時期に始めることで、“言葉のシャワー”をあびせ続け、「本=楽しい」ということを刷り込んでしまいましょう。
イメージしながらお話を聞くトレーニングにもなり、文字の読み書きにも自然に移っていけます。
そして一番のポイントは、ただ絵本をたくさん読み聞かせて終わり、ではなく、実際の体験やほかの絵本にどんどん「つなげて」あげること。

我が家には小1と小5の男の子がいますが、入学前の家庭教育で何より大事にしてきたのが、このいろいろなものを「つなげて」考えるということです。
「これは前に読んだ絵本にも出てきたね。何ていう絵本だったかな?」
「幼稚園の園庭にもあるね。秋にはこんな色になるんだね。」
「面白い実験だね。今度家でもやってみよう。」
そういった言葉がけをしながら、読み聞かせを続けていくと、子どもは日常的に「つなげて」考えられるようになります。
目の前の出来事や先生やお友だちの話などから、どうなるかを自分で考えたり、共通点や違いを見つけたり、新しいことをひらめいたりできるようになり、入学後の学びの深さがぐんと変わります。
メリットはたくさんありますが、デメリットは一つもないのが読育です。
あまり絵本を読んだことがない親御さんでも大丈夫。
瀬田貞二さんの言葉をお借りすると、絵本は「子どもが最初に出会う、目で見て耳で聞く文学」です。
子育てを通して絵本や童話に出会ったり、読み直したりすると、文学の面白さ・美しさを再発見できるはずです。
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