親子で虫捕り・飼育を楽しみながら、豊かな感性を育む【虫の絵本】

虫をさわろうとする子に対して、「気持ち悪いからやめなさい」なんて、つい言ってしまいがちですが、実は子どもは虫捕りからたくさんのことを学ぶことができます。

創造性、忍耐力、集中力・・・いろいろなものを養ってくれるのに、近場でやればかかるお金は0円!

虫捕りはお金をかけずに、子どもの頭をフル回転させ、同時に身体も鍛えてくれる、最高の遊びなんです。

続けるうちに少しずつ親の方も慣れてくるので、虫への苦手意識は減ってくると思います。いつの間にか私のように、親子で虫好きになっているかも…!? 

目次

虫好きに育った息子たち。「体験+読書」の相乗効果で知識を深める

お子さんは虫が好きですか? チョウやバッタを捕まえることはできますか?

近年は香川照之さんの『昆虫すごいぜ!』の影響もあって、虫の生態や虫捕りの面白さが再認識されていますが、男女関係なく、虫捕りは子どもたちの心の栄養になってくれます。

長男はアリに始まり、ダンゴムシ、チョウ、トンボ、バッタ、コオロギ、クワガタムシ、カブトムシ・・・他にもいろいろな虫を、家からそう遠くないところで捕まえてきました。

また、国内外問わず旅行先では、虫にかかわる施設や展示がないか調べ(意外とあるんです)、見つけたら必ず足を運んでいました。

沖縄の「東南植物楽園」に行った際、たまたま開催されていた大型甲虫展へ。
長男は初めてクワガタを手に持つ経験をしました(ここから虫好きが加速)
石垣島「バンナ公園内」の世界の昆虫館。チョウや甲虫、ナナフシなどの標本と、生態展示もあります
石垣島にある日本初の私設昆虫博物館「ギャラリー 蝶館カビラ」。
親切なオーナーご夫婦に、貴重なオオゴマダラの羽化を見せていただき感動しました
オーストラリア・ケアンズのキュランダ地区にある「オーストラリアン・バタフライ・サンクチュアリ―」
ユリシス(オオルリアゲハ)他、世界中のさまざまなチョウを見ることができます
国立科学博物館の昆虫展(混みすぎで何が何やら…でしたが 汗)

台北市立動物園の昆虫館。台湾の人も虫好きだそうです(そうでない国の方が実は多いです)

近所での虫捕りに加え、旅先での知識を深める経験、さらに虫に関する本をたくさん読み漁ることで、長男は無類の虫好きに育ち、それを見て育った次男も、4歳にして立派な虫好き少年です。

おすすめの虫絵本や図鑑は、最後にご紹介します。まずは、なぜ虫捕りや虫の生態に興味をもつことで、子育てにどんなメリットがあるかをお伝えします。

昆虫は子どもたちにとって、「感性の栄養」をもらう友だち

我が家の“虫育”は、医師夫の「生き物に興味をもつ子に育てた方がいい」という言葉から、なんとなく始まったものでした。

けれどある時、絵本・児童文学研究センターの文化セミナーで「子ども時代がつくるもの -昆虫に学んだことー」という講演があることを知り、飛びつきました。

講師は、養老 孟司さん(脳科学・解剖学)と、昆虫絵本をたくさん手がける今森 光彦さん。壇上でのトーク形式でした。
たくさん学びがあったので、メモを元に書き出してみます。

●今の子どもは決して恵まれていない。自然の豊かさを知らない。知るための環境がない。

●虫を殺してはいけないと注意しすぎる親がいるけれど、生態系ピラミッドで考えたら、命の数の単位がそもそも違う。人間の子どもなどへのかっぱ!

●子ども時代は食べるだけが栄養でない。昆虫は子どもたちにとって「感性の栄養」をもらう友だち。いつも尊厳をもって付き合っているので、将来殺人鬼になどなったりしない

●今の子は背後の「環境」を理解するのが苦手。図鑑などで虫のことを知っている“虫博士”ではなく、実際にカブトムシが住む雑木林に行って、木漏れ日や暑さ、苔むした幹を持った時の冷たさなどを体感してほしい

昆虫を通して環境を知る、横の関係性を見ていくことが大事。「生物多様性」とは、お互いにかかわり合って全員が生きていることの大切さを理解すること

●昆虫は神様が子どもたちにくれたプレゼント。子どもが手に取れる(確保できる)ので学びが無限

●日本人は農業をしながら、虫や自然を愛でて生きてきた。小さなもの・季節の変化に目を配る精神性は大切にするべき

特に未就学のうちは、たくさん自然に触れて、小学校中学年くらいまでの理科の準備をしないといけない。子ども時代で理科がない時期はない

●ケガをさせてはいけないとヒヤヒヤする人はだめ。「カエルを触ったことのない高校生」…そういうことの方が怖い

この講演を聴いて、子どもに虫捕りさせることと、命の大切さを教えることの間で揺れ動いていた気持ちの整理ができました。
もちろんむやみにつぶしたり、エサが用意できないのに飼おうするのは止めますが、それ以外は見守ることにしています。

未就学のうちに生き物にたくさん触れて、見たり感じたりという感覚を獲得すると、入学後の理科で生きてくるというお話を聞いて、もっとくわしく知りたくなりました。

小さい頃に虫捕りをたくさんすると、脳に良いことがいっぱい!

そこで、手に取ったのが下の本です。
これも養老 孟司さん・池田 清彦さん(生物学者)・奥本 大三郎さん(仏文学者)3人によるトーク形式の共著です。

この本は、前半は幼少時代の虫捕りが子どもに与える効果について、後半は主に虫と環境のお話です。

前半で印象に残ったのは、虫捕りをすると具体的に物を見るので、知的な世界でも、概念にとらわれずにリアルにものを見られる(考えられる)ようになるということ。

小さい頃に自然や生き物に触れていない子は、感覚で世界を捉えることが苦手で、捉える前から脳にある「概念化フィルター」をかけてしまうそうです。

目で見ているのに、きちんと見えていない。「ちゃんと見える人」と同じ見方をすることができないというのは、すごく怖いことだと思いました。

虫好きな子に育てたいと思ったら、小学校中学年くらいまでに虫と触れ合う経験をするべきです。

虫好きの子はよく虫の絵を描きます(ずっと飼うことは難しいから、何かの形で残したいのかも)
高学年になると、言語能力が付いてくる反面、図鑑で見たような常識的な絵しか描けなくなる子が多いそうです。

長男(小3)の絵を見てもわかるように、カブトムシを握ったことがある子は、いかにも痛そうな足のトゲをリアルに描きます(そこにしっかりとスペースを割いています)

図鑑でしか見たことがない子はそのあたりがいい加減で、多くはツノから先に描くようになると書かれていて、なるほどと思いました(私もその虫の概念を思い浮かべてからでないと描けないので)

具体的に見るということに関連して、子どもたちの「学び方」にかかわる大切な部分があったので、抜粋します。

池田さん「自分なりの概念を持つことは大事だけど、それには、なによりもまず世界のディティールを見ること。これが絶対に必要。

ディティールが見えると、おのずと自分なりの価値基準ができあがる。難しくいえば、自分なりの『同一性の尺度』ができる。『あなたがたはそう言うけれど、私はこう考える』って、言える。新しいものって、すべてそこから生まれてくるわけでしょう。

養老さん「そうそう。つまり、いちばん大切なのは、ディティールが見える、感じられるということなんですよ。概念を作るときに大事なのは、感覚を失わないことなんだ

子どもの個性は、「感性」によってつくられるのに、学校などで教育できるのは「概念」の方だけ。
個性を磨くには外に出るしかない。自然の中で思い切り遊べ!と、この本の前半部分は締めくくられていました。

改めて知識を詰め込んで育てるのではなく、外での五感をつかった体験を大切にしたいと思いました。

養老先生は脳科学の研究者でもあります。
数ある遊びの中でも虫捕りがなぜいいかというと、ほぼ理想的に脳が回転するからと書かれていました。

虫を見て「いた!」と思ったら、筋力を動かして、捕まえて、自分で調べて、標本を作って(絵を描いて)、考えて、また虫を見て・・・という具合に、情報が連鎖しながらぐるぐる回り続けます。

外界からの情報が感覚を通して入ってくる(インプット)
➡︎ 計算して考えて
➡︎その結果が肉体の運動として出ていく(アウトプット)
➡︎ 出た結果が再入力される(アウトプットの再入力)

このインプットとアウトプットの回転が、知的作業において最大の武器となる「カンの良さ」を育ててくれるそうです。

学校教育の大半は、知識のインプット。アウトプットが少ないと、脳の回転が止まってしまいます。

入口(感覚)と出口(運動)を塞がずに大きくしてあげるといいと書かれていたので、やはり小学校中学年くらいまでは学校・塾任せにせず、親が足りない部分をカバーする必要があります。

小さい頃から虫を気持ち悪いものとしないで、虫好きに育ててあげることは、地頭を育てるための作戦の一つと言えそうですね。

キラキラした目で虫を捕まえる子どもたちを見ていると、親の方もワクワクしてきます。虫捕りは子育てをより楽しくしてくれます!

虫捕りに役立つ本をご紹介します【図鑑】

虫捕りや外遊びが大切なことはわかりますが、じゃあ外で遊ばせておけばどの子も賢く、知的好奇心旺盛に育つのかというと、答えはNOです。

上記の養老先生の解説でもわかるように、虫捕りをした後、標本を作ったり自分で調べたりする作業をはさむことで、脳のアウトプットの再入力が意味のあるものになります。

先ほどの本の中で面白い箇所があって、世界的に見て虫好きに育てるには、発展しすぎの都会でも、発展途上の田舎で自然に埋没していても、だめだそうです。
その中間の程よい「町の小さな図書館に虫の図鑑が置いてある程度」の田舎がいいと書かれていました。やはり本は大事です。

虫関連の本は、欲しがるのでいろいろと購入しました(下写真)。図鑑や「最強昆虫〜」といった読み物、絵本に幼年童話。図書館でもたくさん借りて読みました。

虫絵本の多さを見ても、日本人が虫を興味の対象・鑑賞の対象として見ていることがわかります!(外国の絵本に、虫がテーマのものは少ないです)

今日は、その中からおすすめの本をご紹介します。まずは、虫捕りに役立つ本から。

この本は、虫や小動物の捕まえ方、飼い方、飼えなくなった時の放し方まで載っています。
オールカラーなので読みやすく、何か捕まえてきた時に最初に開く「飼い方ハンドブック」として優秀です!

1「とりかた・みつけかた」は、虫捕りの道具や使い方に始まり、トラップの仕掛け方、代表的な虫の捕まえ方、標本の作り方・・・盛りだくさんな内容の本です。今森さんが捕まえた虫の写真もたくさん載っていて、図鑑のようなページもあります。
2「くらしとかいかた」は、家で飼う時の環境づくりについてかなり詳しく載っています。フィールドノートのつけ方なども面白いです。
「ポイント」や「今森メモ」など、ミニコーナーの情報も面白いので、長男はいまだに引っ張り出してきて読み返しています。

お兄ちゃんにくっついて虫捕りに行く弟くんのお話です。どうやったら虫を見つけられるか、お兄ちゃんが優しく教えてくれます。これを読んだら虫捕りに行ってみたくなるかも!? 
やさしい絵本なので、3歳くらいから読めます。

松岡 達英さんは虫に関する絵本をたくさん作られています。松岡さんの描く生き物の絵は、とても詳細ですが色味がほんわか優しいので、虫に慣れていないお子さんでも読みやすいと思います。
この絵本は、かえるの親子がさまざまな場所に生息する虫を探すお話。虫だけでなく環境まで感じられます。年長〜低学年くらいの子におすすめです。

長男が一番よく見ていた学研の図鑑「ニューワイド」昆虫です。一冊目は読みすぎで分解されてしまったので、2冊目です。
同じ学研の図鑑「LIVE」も持っていますが、ニューワイドの方がレイアウトがシンプルで見やすく、模写に使いやすいそうです。
図鑑を活用するのは小学校中学年から(教科で“分類”が始まってから)と言われていますが、好きなテーマの図鑑は別ですね。長男はこの図鑑のおかげで、未就学のうちから虫の分類を理解して、知識を深めてこられました。

家で見る大きな図鑑は学研で、外出先で見るためのポケット図鑑は小学館のものを使っていました。
手のひらサイズですが、写真が最大限大きく印刷されているので、とても見やすいです。
図鑑ごとに書かれている内容が微妙に違うので、いろいろな出版社の図鑑を見てみるのは面白いです。

イモムシ・毛虫を見つけるたびに何の幼虫か聞かれるので、幼虫のポケット図鑑も使っていました。
虫が苦手な親御さんにはきつい写真が多いですが、こんなにたくさんの幼虫がいるのかと驚かされます。

北海道大学農学部で昆虫学を学ばれた長谷川 哲雄さんの絵本です。すべてイラストですが、本物のように丁寧に描かれています。
季節、仲間、住む場所、活動する時間などいくつかの分類で示されたり、食草と食べあと、どんな卵を産むかなど、子どもの興味をいろいろな方向から引き出す内容になっています。
見返しの部分には、「著者のスケッチブックより」ということで、虫のスケッチと説明書きが載っています。虫好きの子、絵を描くのが好きな子に、ぜひ注目してほしいです。
好きなことに熱意を注ぎ続ければ、それが生涯を通じた仕事につながるかもしれない、そんなメッセージも伝えられると思います。

ブラキストン線があるので、本州にはいて北海道にはいない虫が多いです。この本は、北海道に生息する虫に特化しています。北海道在住の我が家にとって、なくてはならない本です。
沖縄に旅行する前には、沖縄の昆虫だけが載った本を購入しました。虫捕りには気候や地理が大きく関係するので、「ご当地虫本」を購入すると理解がうんと深まると思います。

幼児〜小学校低学年 虫がテーマの絵本・幼年童話

続いて、虫をテーマにした絵本や幼年童話をご紹介します。
あれもこれもとどんどん思い浮かんでくるほど、虫絵本はたくさんあります!

文章のない絵本です。りんごの実から出てくる虫が、いったいどのようにして中に入り込んだのか、絵を追っていくと理解できる名作科学絵本です。アニメーションを観ているかのような、アートな感覚になります。
おすすめ年齢:3〜4歳前後

「じっちょりん」という虫のような小さな生き物のお話です。厳密には虫絵本とは言えないかもしれませんが、人間社会の片隅で植物を食べて暮らすじっちょりん家族を見ていると、自然と“虫の目”になって、物語の世界に入ってしまいます。
この絵本は春ですが、夏秋冬の3冊が続編として出ています。楽しいじっちょりんワールドに遊びにいってみてください。
おすすめ年齢:4〜5歳前後

動物絵本で有名な、あべ弘士さんの可愛らしい虫絵本です。クレヨンや絵の具で描かれたようなくっきりとした絵が魅力的。
「むしは からだに いろいろなもようを もっている。それは、むしのことば。」
ピカッと光るような模様、サイコロのような点々模様、目のように見える点々、しましま模様、漢字アルファベットに見える模様・・・「模様」という切り口で見ていくと、また昆虫の面白さが深まります。
おすすめ年齢:3〜4歳前後

たくさんの虫たちを乗せて「がたん もにょん がたん もにょん」と走るいもむしれっしゃ。
はらっぱだんち、のうえんまえ、モグラちかがい・・・。細かいところまで描かれているので、いろいろな種類の虫を発見するのが楽しい一冊です。
おすすめ年齢:3〜4歳前後

プランターで育てているニンジンにやって来たキアゲハの幼虫。家族で大切に育てます。この絵本を読んだら、きっと自分でもアゲハの幼虫を育ててみたくなるはずです。
おすすめ年齢5〜6歳前後

雨が降った時、虫や動物たちはどうするのか。小さな子が自然や生き物について疑問をもった時、科学との出会いの瞬間です。この絵本のようにそっと寄り添うことで、たくさん想像したり考えたりしてほしいです。ロングセラーの名作絵本です。
おすすめ年齢:4〜5歳前後

ノラネコぐんだんでおなじみの工藤ノリコさんの絵本です。
私はセミの見た目や動きがちょっと苦手で、短命なことも悲しくなるので敬遠しがちだったのですが、この絵本はユーモアがあって楽しめました。
パーティーと蛍の花火で歓迎を受け、最後に「いきているって うれいしな」と言って元気に鳴くセミくんを、思わず応援したくなるお話です。
おすすめ年齢:5〜6歳前後

4歳の次男が大好きな絵本です。迷子になってしまったビートルたちを探す、遊び要素のあるお話です。
絵は本格的で、たくさんの甲虫が描かれているので(400種以上だそう)、探すのが大変。ヒントを読みながら進めていくと甲虫にくわしくなれます。
おすすめ年齢:3〜4歳前後

これは長男が4歳の頃大好きだった絵本です。何度も読みました。
虫たちがレストランを開くことになり、虫の「口」の形状によって食べるものが違うことに、虫たち自身が気づいていくお話です。勉強になるけど、お話としても楽しい科学絵本です。
おすすめ年齢:4〜5歳前後

カブトムシの成虫を捕まえたり、幼虫を飼う子に、ぜひ読んでほしい科学絵本です。
森の中、小さな卵がどのような過程をたどって成虫になるのか、松岡 達英さんの力強い絵と完結な文章で表現されています。
カブトムシの羽化について、これほどわかりやすい絵本はない気がします。
おすすめ年齢:4〜5歳前後

幼児向けの虫絵本シリーズです。他にもいろいろな虫の絵本があり、長男も次男もたくさん読みました。
可愛らしい虫たちの気持ちになって、お話の世界に入り込めると思います。
虫が苦手な子、女の子にもおすすめです。
おすすめ年齢:3〜4歳前後

あまり知らないクワガタの「メス」について知ることができる絵本で、大人でも勉強になります。
虫の絵本は数え切れないほどありますが、みんなが好きな「オス」ではなく「メス」に注目するという、新たな視点・疑問点をもつことの大切さを感じさせてくれる良書です。
おすすめ絵本:4〜5歳前後

ちょうちょうのサナギをテーマにした科学絵本。虫たちがつつくと「ぴょこり」と動きます。
大人が準備しないとちょうの羽化を見せるのは難しいですが、甲斐 信枝さんの絵は写実的なので体験をカバーしてくれる力があると思います。
おすすめ年齢:4〜5歳前後

自然豊かな公園に行った際、山のような虫こぶを見て親子で驚愕しました。その時購入した写真絵本です。
虫たちが作り出す造形の美しさ・面白さに、思わず見とれてしまいます。
おすすめ年齢:5〜6歳前後

小さな子が大好きなダンゴムシ。手の中で丸まって持ちやすいので、初めて触れ合うのにぴったりの虫です。
体験の後は、ぜひこの絵本を読んであげてください。理解が深まって、いろいろな虫に興味がわくはずです。
おすすめ年齢:3〜4歳前後

「がまくんとかえるくん」シリーズで有名なアーノルド・ローベルの、虫が登場する幼年童話です。
主人公のキリギリスくんが虫たちに出会って、世界にはいろいろな虫がいることを知りながら、旅をしていきます。
巻末の、三木 卓さん(訳者)による「よみおわったきみへ」という文章も素敵。
子どもたちもキリギリスくんと同じ「旅人」。知らない世界に入って、初めての人に出会いながら、学びながら大人になっていくんですね。
おすすめ年齢:5〜6歳前後

虫好きが多いと言われるチェコの作家さんによる童話シリーズ。
虫たちのかなりにぎやかなドタバタ劇です。1930年代に生まれたお話だそうです。古いですね!

たむら しげるさんの魅力が満載の、夏にぴったりな虫絵本です。
道ばたに大きなすいかを見つけたありたちが、一生懸命巣に運びます。もう巣の中はすいかだらけに!
最後はすいかの皮ですべり台。親子で楽しい気分になれる絵本です。
おすすめ年齢:3〜4歳前後

田村 征三さんによる力強い絵が魅力の絵本です。
主人公のバッタは弱虫ですが、決意して、天敵たちから逃げようと「しにものぐるいで」飛びます。
未就学の子の「頑張るぞ!」という気持ちを応援してくれる絵本です。
おすすめ年齢:5〜6歳前後

「福音館の科学」シリーズの一冊です。このシリーズは本当に良質で勉強になります。
姿形がさまざまな虫たち。「昆虫」という定義について考える、“昆虫分類学入門”の絵本です。
シリーズを通して説明が本当にわかりやすいので、小さい子の科学的思考の土台になってくれます。
おすすめ年齢:5〜6歳前後

生き物を種類ごとに知ることができる「自然スケッチ絵本館」シリーズ(全12巻)
ページをめくるたびに、昆虫とはどんなものかはっきりしていきます。文章はシンプルでやさしいですが、巻末によりくわしい説明が載っているので、幅広い年齢の子が面白く読めます。
おすすめ年齢:4〜5歳前後

今年我が家ではカブトムシの幼虫を15匹ほど飼って、もう成虫になっています。
幼虫が「蛹室」を作り始めた頃、虫かごから「コンコンコン」という音が聞こえてきて、驚かされました。
その音の意味を教えてくれたのがこの科学絵本です。「たくさんのふしぎ」シリーズなので内容は難しめですが、読み応えありです。
おすすめ年齢:小学校3〜4年生前後

ハナムグリの幼虫についてのお話です。「カブトムシより、少し小さい?」と思いながら読み進めると、最後に正体がわかります。
地中でどのように生きているかを覗くような視点で描かれているので、引き込まれる絵本です。
おすすめ年齢:5〜6歳前後

長男と頑張って読んだ「ファーブル昆虫記」の幼児版です。
全10巻すべて読むのは時間がかかりますが、一冊一冊はとても面白いのですいすい読めます。知らないことばかり出てきて、長男と感心し通しでした!
漢字が少しありますがふりがな付きなので、小学生の一人読みにもぴったりですよ。
おすすめ年齢:5〜6歳前後

おまけ:飼うのにおすすめの虫

最後に、この10年弱で飼ってきて良かった(飼いやすい・勉強になる)虫をご紹介します。

羽化までの過程を見せてあげたいなら、カブトムシの幼虫から飼うのがおすすめです。
北海道には本州から持ち込まれたカブトが少数生息しているだけなので、今年は幼虫をヤフオクで購入。

1000円くらい(+送料)で15匹も送っていただきました。愛知→北海道でしたが、みんな無事に届きました。
腐葉土は100均でOK! 5月から飼い始め、7月中旬には地上へ出てきました。子どもたちは大喜びです。

100均の昆虫ゼリーを食べながら、今も元気に暮らしています。
近所で捕ってきた道産子カブトも何匹か入れたので、これから卵を産んでくれたらいいなと思っています。

カブトの幼虫は今年初めてですが、昨年までは長男が欲しがるクワガタの幼虫を購入して、羽化させていました。

でもクワガタは腐葉土でなく菌糸ビンが必要だったり、卵を産むのも土でなく朽ち木なので、お世話にお金と手間がかかります。
その点、カブトの方が楽なのでおすすめです(飼育中ケンカが少ないのもいいです)

クワガタは近所で捕れるので、毎年夫と子どもたちで捕獲に行っています。今も飼育中。

チョウの羽化も、小さい子にとって驚きと学びがたくさん!

ありがたいことに、次男の幼稚園の先生が虫好きで、今年はキアゲハの羽化を見せてくださいました。
アオムシの成長スピード、サナギから想像以上に大きなチョウが出てくることなど、いろいろ感じられたようで虫への興味がより強まりました。

長男の小学校でも、アゲハの羽化を観察したそうです。
アゲハを呼ぶには食草を植えないといけないので、まだ我が家ではチャレンジできていません。来年はプランターでヘンルーダというハーブ(アゲハが好む)を植えてみる予定。

未就学児におすすめなのは、ダンゴムシの飼育です。小さめの虫かごに、100均の腐葉土と落ち葉を入れて、しっかり保湿してあげれば、元気に育ってどんどん繁殖します。

自然に帰したくなったら、ダンゴムシのいるところへ虫かごを持って行って、ひっくり返せばいいだけ。
次男は登園中に見つけたダンゴムシを○○○匹!? 飼っていましたが、夏休み前に林でお別れしました。
(ダンゴムシの捕獲には、写真右の小麦粉パウダー容器が便利です☆)

写真左は、苦手な人も多いと思いますが、今年見つけたアリの幼虫です。
普通は巣の中で子育てすると思いますが、地面の上で幼虫を運ぶアリたちを見つけて、次男と連日観察していました。

アリを飼うのはハードルが高いですが、働きアリたちの勤勉さ、女王アリの役割などを見ていると、学びが多いと思います。

【おまけのおまけ】
今年長男が興味をもって観察していたのが、庭に来たハサミムシ。
外でBBQ中にやってきて、落ちていたチャーハンのごはん粒に抱きついて、最後までおいしそうに食べる様子を見て興味レーダーがONに!
ハサミムシ(雑食なんですね)を見つけるたびに、ごはん粒をやって食べる様子を観察したり、図鑑で調べたりしていました。

こんなふうに? 近所で捕まえられる虫から、ぜひ親子で虫捕りを楽しんでみてください。
虫の科学絵本などを読むと、親子の会話も弾んで、お子さんの探究心はどんどん広がるはずです。

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