理科が好きになる おすすめ書籍リスト【低〜中学年向け】

学校での理科の学習は、小3から始まります(1~2年は生活科)

長男も春から教科に加わりましたが、教科書や問題集を横から見ていて思うのは、「興味をもてるかどうか」が肝な教科だということ。

授業や教科書に対して、自分の中で「ワクワクする」状態にもっていけるかがポイントです!

この記事では、幼少期~低学年、理科好きの子に育てるにはどうしたらいいかを考えながら、長男が読んできた中から、「おすすめ理科本」をご紹介します。

目次

理科好きにするには、幼少期〜低学年の読書が大切です

長男(小3)は寝る前の読み聞かせとは別に、これまでたくさんの本を自分で気ままに読んできました。

その多くは、学習漫画か図鑑、カラーの挿し絵がたくさん入った読み物系の本。たまに、漫画のノベライズ本やマインクラフトの小説など。
テーマは、昆虫や動物、妖怪、鉱物など、低学年男子が好きそうな自然科学系の本ばかりでした。

以前の記事で、子どもたちの読書記録をつけていると書きましたが、長男が自分で読んでいる本は記録していません。
漫画や遊びみたいな本も多いし、主食でなく「おやつ」のような本で、絵本や物語より下だとなんとなく考えていたからです。

ただ、その考えはだんだん変わってきています。

入学後の授業参観や、担任の先生との面談を通して、長男の思考スピードとその質が、群を抜いていることを知ったからです。

「○○君は知識が豊富で、思考スピードも速いのでだれも敵わない」
「○○君が発言する時は、みんな何を言うのか期待してちゃんと聞く」
「人間関係も抜群!」

先生にそう言われて(本当にうちの子ですか?と聞きたくなりましたが)、たくさん読んできた本が生きているのだと確信しました。むしろ、それしか理由が考えられない!

そして、その「本」というのは、絵本や物語だけでなく、彼自身が面白いと思って読んできた、すべての「本」が含まれているのだと理解しました。

お友だちが多いことは以前から知っていました。本から得た知識や小ネタが多いと、会話が弾むんですよね!
すぐに話題を思いつくので、会話が途切れない。それが人間関係の良好さにつながっている気がします。

ここで、一冊お気に入りの教育本をご紹介します。

『公立小・中・高から東大に合格した3兄弟の母は何をしたのか?』杉政 光子

タイトルの通り、3人の息子さんを東大に入学させたお母さんが書かれた本です。
経験を他の家庭でも役立ててほしいという視点で書かれているので、とても参考になります。

「本」に関する記述も多く、杉政さんが子どもたちの読書環境を整えることに注力していたことがわかります。

小学校に上がる頃、大きな本棚を購入して、図鑑や『ひみつ』シリーズ、伝記、児童文学、絵本、学習漫画、各種辞典などを並べたそうです。
そのおかげで、息子さんたちは「本の虫」になったと書かれています。

私が興味深く読んだのは、巻末の杉政から長男さんへのインタビュー記事。「子どもを勉強好きにするには?」というテーマです。

「僕にとって読書と勉強はほとんど同じようなもの」で、読書も勉強も「僕に知識を与えてくれて、さらに興奮と喜びをもたらしてくれるもの」と答えています。

そして2つの類似性に着目した仮説を立ててくれています。

①お母さんは幼児期の僕に本を毎日読み聞かせた(6年間)
②僕は本が好きになった
③僕が小学生になるとお母さんは本と本棚をたくさん買ってくれた
④僕は本を毎日読んだ
⑤僕は「本を読む→神秘的な知識を得るだけで脳内ホルモンがドバドバ出て興奮と喜びを得られる体質」になった
⑥僕は次第に「何か知識を得るだけで脳内ホルモンがドバドバ出て興奮と喜びを得られる体質」になった

⑦小5のとき、お母さんが市販の問題集を買ってくれたので、取り組んでみた
⑧解けなかった問題の解説を読んで解き方を知った時、脳内物質がドバドバ出て興奮と喜びを得られた
⑨僕は勉強がやめられなくなった

これを読んだ時、とても面白いし的を射ていると思いました。
本好きの子が勉強も好きになる確率が高いのは(全員ではない)、この長男さんが考えてくれた仕組みのためではないでしょうか。

話を戻しますが、小3で理科、そして社会が始まる時、この「脳内ホルモンがドバドバ」出る状態になっていることが大事です。

さまざまな本の読書を通じて、何にでも興味をもてる子に育てながら、知識のカケラもたくさん吸収しておくといいです。

スポーツを通じて、物理現象を体感として味わうことも必須

もちろん理科の下地としては、読書だけでなく、できるだけたくさんの経験的知識を得ておくことも重要です。

「ストーブに間違って触ってしまって熱かった」など、実際に自分の身体・五感をつかって経験したことがあって→それを抽象化するという流れです。

絵本・児童文学研究センターでも、子どもの科学的認識とそれを促す絵本について勉強しました。
日本は低学年までの実験的操作が不足しているので、家で経験的知識を得ていた子(ボーイスカウトなど)以外は、高学年以降で理科が苦手になるそうです。

我が家でも自然体験や実験教室への参加など、小さい頃から積極的にしてきたつもりですが、十分ではないと思います(時間やお金、親の労力…大変ですよね)

理科の「実体験」に関するヒントをもらったのが、こちらの本です。

『合格させたいなら 脳に効くことをやりなさい』吉田たかよし

テレビでもおなじみの、脳科学と学習医学を応用した受験生専用外来を開かれている先生です。
各教科への取り組み方が具体的に書かれています。

「世の中のすべての現象は、理科でできています。政治や産業が社会なら、人間のフィジカルな部分はすべて理科で説明できます。わかりやすいのがスポーツです。私自身、スポーツを通じて理科を好きになりました」

吉田先生は野球少年だったので、野球のフライで放物線、カーブボールで揚力の考え方に触れたそうです。

物理現象を体感として味わうことで感動につながり、びっくりするくらい理科が好きになり、同時に記憶にも定着します」

「『物理現象を肌で感じる実体験』をたくさんさせてください。理科(物理)に興味をもつきっかけになるだけでなく、ふだんから考える力を鍛えることにもつながり、確実に学力アップにつながります」

文系の私にとって、子どもに物理現象などを説明するのはハードルが高いですが、とりあえず実体験はたくさんさせてあげたいと思い、長男が所属するストリートハンドボールチームの練習送迎を頑張っています(笑)

植物や生き物は本の題材としても多く、最近はキャンプや釣りなどアウトドアも流行っているので、自然科学への興味はもたせやすいと思います。
物理体験は、スポーツなどを通して、楽しみながら経験を重ねてもらうことが必須ですね。

我が家におすすめ“理科本”、一挙にご紹介します!

最後に、たくさん読んできた“理科本”の中から、おすすめできるものだけを厳選してご紹介します。

幼少期はまず、良質な科学絵本を読んで、観察の目を育んでほしいです。
ぴったりなのは加古 里子さんの科学絵本ですが、長くなってきたので、次回の記事でご紹介したいと思います。

以前紹介した「福音館の科学シリーズ」も本当におすすめです!
どの本もわかりやすく書かれていて、科学の面白さを実感できるシリーズです。

今回は、絵本ではなく、お子さんが自分で手に取りやすい“読み物系 理科本”をご紹介します。

❶『角川まんが科学シリーズ どっちが強い!?』KADOKAWA
オールカラーの学習漫画。
ライオンvsトラなど、戦闘力が近いけど、現実世界では戦うことのない動物同士が、毎回迫力のバトルを繰り広げます。ちゃんと勝敗まで描かれるので、長男はいつも夢中で読みふけっていました。
毎回同じメンバーが調査隊として登場するので、読み始めやすいようです。
それぞれの動物の生態を解説するコーナーは専門的で、いつのまにか難しい生き物の名前を覚えていたりします。
こちらのシリーズはマレーシアからの輸入本のようです。ジャングルや熱帯の描写も多いので納得です。
2021年6月現在、25冊ほど出ていて、人気シリーズとなっています 全ラインナップ >>
長男は小1の時にハマり、お友だちと貸し借りしながら次々に読破していました! 男の子だけでなく、女の子のお友だちも読んでいましたよ。

❷『学研まんが ふしぎクエストシリーズ』学研プラス
オールカラーの学習漫画。
ふしぎ生物のコロナが毎回登場して、主人公たちを不思議な大冒険へと誘います。
似たようなシリーズを読み比べた結果、このシリーズが一番面白いと長男が太鼓判を押しています。主人公が子どもで、バトル要素もあるからだそうです。
解説もしっかりしているので、そのテーマに詳しくなれます。
人気の『サバイバル』シリーズ(韓国)に似ていますが、こちらのシリーズは日本人の作者なので安心して子どもに読ませることができます。
我が家は全10冊集めました。次男もきっと楽しんで読んでくれるはず! 全ラインナップ>>

❸『科学学習まんが クライシス・シリーズ』小学館
オールカラーの学習漫画。
❷の『クエスト』シリーズとかぶるテーマも多いですが、“クライシス”というだけあってややドラマティックな展開が多いです。大人もよく登場します。
長男は『クエスト』の方が読みやすいと言っていますが、『クライシス』にしかないテーマの本もあって、『サメのクライシス』などは気に入って読んでいました。
読んだことのないテーマから読むのがおすすめです! 全ラインナップ>>

❹『まんがでよくわかるシリーズ』学研
3兄弟を東大に入れたお母さんも積極的に読ませていた『ひみつ』シリーズです。
科学、技術、産業、地理、スポーツ・・・ありとあらゆるテーマの本があります!
白黒の学習漫画ですが、企業や専門家が協力しているのでとてもわかりやすいです。
このシリーズは一般向けに販売されていないので、図書館などで借りてきて読むしかありません。
「学研キッズネット」というサイトの「まんがでよくわかるシリーズ」を開くと、100冊以上が無料公開されています。
タブレットやスマホで読む時は、「電子書籍ストア学研BookBeyond」から開くのがおすすめです。こちらも無料公開ですが、電子書籍なので大きな画面で読むことができ、スクロールもしやすいです。

こちらは図書館で借りてきたもの。本当にいろいろなテーマがあります
子どもは電子書籍に慣れていないので、なるべく大きな画面で読ませてあげたいですね

❺『MANGA謎解きハンターQシリーズ』PHP研究所
オールカラーの学習漫画。
「Q」というのは、日本政府によってつくられた世界の謎を極秘に調査する研究機関だそうで、大人でも解けなかった問題に挑戦するのが、登場する子どもたちです。
長男曰く、絵が一番きれいで、「漫画」として読んで面白いそうです。確かに可愛らしい絵です。
他のシリーズと違って4冊しか出ていませんが(もう出ないのかな?)、番外編的な『新世紀食糧記ムシグルメン マイマイの人類虫食計画』もすごく面白かったと言っていました。将来の食糧問題対策!?「昆虫食」について知りたい時におすすめです。 全ラインナップ>>

❻『〜大百科シリーズ』学研プラス
オールカラーのイラスト図鑑です。
シリーズとしてラインナップが見られるサイトがないので、シリーズとは違うのかも?
比較的やさしい内容なので、導入本として年長〜小1くらいの子におすすめ。
長男はこの4冊を熟読して、生き物の名前をたくさん覚えました。「古生物」「深海生物」「危険生物」「珍魚・怪魚」と、子どもの好きそうなテーマが揃っています!

❼「最強王図鑑シリーズ」学研プラス
オールカラー(イラスト)です。
たくさんの生き物(妖怪なども)がトーナメント形式で対決するという内容です。
これが面白いらしく、長男が小1の時クラスで持っている子が多いシリーズでした。
現在8冊ほど出ていて、長男のおすすめは「幻獣(モンスター)」と「妖怪」です。 全ラインナップ>>

❽『大迫力バトル 鉱物キャラ超図鑑』西東社
今回の記事では、シリーズもの(人気があるということ)だけ紹介しようと考えていましたが、この本は絶対おすすめだから紹介してと言われました(笑)
オールカラーのイラスト図鑑なのですが、さまざまな鉱物が「元素タイプ」「アイドルタイプ」「メタルタイプ」「テクニックタイプ」に分類され、キャラクター化され、わかりやすく紹介されています。
鉱物は写真も載っています。
絵がとても良くて、強そうなものから可愛らしいもの、神秘的なものまで、うまく表現されています。
「石に興味がある子は、最初にこの本を読んだ方がいい!」と石好き長男、大絶賛の本です。
長男のお友だちのお母さんからも、この本を買いたいのでタイトルを教えてほしいと言われました。

中身はこんな感じです。鉱物キャラがカラフルで可愛いです。

❾『理系脳が育つ! 科学のなぜ? ビジュアル新事典』受験研究社
幼児の理科の下地作り〜小学生の理科学習のおともに、とても良い事典です。
「地球・宇宙のふしぎ」「植物のふしぎ」「動物のふしぎ」「私たちのからだのふしぎ」「身近なふしぎ」に分けられ、子どもたちが普段疑問に思うことが多数解説されています。
例えば、「雨上がりににじが見えるのはなぜ?」「レンコンにはどうして穴があいているの?」「アサガオはどうして朝にしかさかないの?」など。
これを一冊読むだけで理科博士になれそうです。
漫画やキャラ図鑑とは違うので、長男は自分からすすんでは読みません。何か疑問ができた時に、私の方から働きかけて開くようにしています。今後、もっと活用していければと思っています。
特設ページ>>

先日、四つ葉のクローバー探し名人の長男が、たくさん持ち帰りました
(図鑑に挟んで押し花にしています)
その時に読んだのが、「四つ葉のクローバーができるのはなぜ?」という項目。
「遺伝子」や「突然変異」などの言葉も出てきますが、ちゃんと小学生でも理解できます

➓『はたらく細胞』『天地創造デザイン部』講談社
長男は漫画もたくさん読んでいます。
『はたらく細胞』は細胞の名前が覚えられるし、何よりストーリーが面白い! 私と次男(年中)も一緒に楽しんでいます。
『天地創造デザイン部』は、長男がアニメで見始め、ハマってコミックスも読んでいます。生き物図鑑系が好きな子は面白く読めそうです。
最近の漫画は知識のカケラになるものが多く、子ども同士の話題としても欠かせないものになっているようです。
人気の『呪術廻戦』も家族で読んでいますが、ストーリーやバトルが複雑なので、考察を話し合うのが面白いです。
学校で話していても、よく理解している子とそうでない子がいるそう。漫画も読解力の訓練になりそうですね。

もうすぐ本格的な夏がやってきます。
旅行はまだ行けませんが、近場で自然体験がしやすい季節。「実体験⇆本の世界」で理科の下地づくりをしたいですね!
我が家もまだ小3なので、高学年向けの“理科本”を模索していきたいです。

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