スポーツの習いごとの見つけ方【運動能力と学力】

今回の記事は、子どものスポーツについてです。お子さんにどのスポーツを習わせるのがいいか、悩まれたことはありませんか?

我が子に「文武両道」になってほしいと考えている親御さんは多いと思います。

この記事では、勉強ができる子にスポーツ万能な子が多い理由に迫ります。

目次

勉強とスポーツの関係、ゴールデンエイジについて親が知ることが大切

高校時代の担任の先生(柔道家)から教わった「心技体」という言葉があります。
精神・技術・体力をバランス良く鍛えることの大切さを伝えてくれる言葉で、私はこの言葉が好きで、子育ての中でも意識してきました。

心(読書経験、学力)・技(指先の器用さ、アート性)・体(体力・運動能力) という大まかなイメージをもってきました(技の部分は家庭ごとに違うと思います)

習い事も偏りができないように、3つのバランスで見ながら選んできましたが、未就学の時期は「体」の比率を大きくしていました。
「飛び抜けて頭の良い子は、スポーツも万能」そんな感覚があって、小さいうちからたくさん身体を動かしてほしいと考えていたからです。

ところが、年齢が上がるつれ「心」、つまり勉強に割く時間・費用が増えてしまい、そのたびに、他の2つをどうコンパクト化するか、どう付き合っていくか再考する必要がありました。

そんな時に出会ったのが、『スポーツのできる子どもは勉強もできるという本です。
著者の一人、深代 千之さんは、東京大学の教授でスポーツバイオメカニクスの第一人者です。

スポーツに関する書籍で、初めて読みごたえがあり、納得できると思える部分が多かったものなので、子育て中の方におすすめです。

この本の冒頭で、印象的なのは次の2点です。

●勉強は頭で、運動は身体でと考えがちだけど、「脳の中の仕組み、神経の中を信号が通るパターンをつくるという意味では、基本的に同じ」なので、勉強と運動は分けて考えない方がいい

運動能力は遺伝ではない。運動の上手い下手は、練習で後天的に獲得されたもの(オリンピック選手レベルは遺伝もある)。その証拠に、怪我で右手が使えなくなった場合、利き手を左に変えることができる

「新しいことをやってすぐできる子は目立つけれど、その子はそれに近い動作を無意識のうちに過去にやっている。つまり脳が似たことを経験していて、『アッあれだ』と思い出して、適応する

勉強もスポーツも脳を鍛えることに変わりはないので、バランス良く、いろいろなことを体験させてあげることが大切です。
遺伝ではなく後天的に伸ばせると思うと、やる気が出ますよね!

後で詳しくご紹介する『子どもが伸びる運命のスポーツとの出会い方』という本の中で、子どもの神経が発達する時期についてわかりやすく書かれています。

ゴールデンエイジの「即座の習得」とは、新しい運動を何度か見ただけで、すぐこなしてしまう力のこと。

それだけ聞くとすごそうですが、「即座の習得」は、プレゴールデンエイジの段階で、基本的な運動を経験し、神経回路が形成されている場合にしかできないそうなので要注意です!

プレゴールデンエイジに、多彩な遊びを通じて多面的なスポーツの基礎作りをすることで、後に専門的なスポーツを行なった時の技術や動きの習得が早くなります。

やはり、低学年までに積極的に身体を動かして、いろいろな動きに挑戦する必要がありそうです。

運動をすると頭が良くなるって本当なの?

『スポーツのできる子どもは勉強もできる』では、スポーツにはあらゆる要素が入っていて、特に数学的要素も大きいと書かれています。

「たとえば野球を例にとれば、身体の動かし方はもちろん、シュートやカーブには力学的視点も入ります。
打率や打点、チームの対戦成績や残り試合数、勝率、さらにストライクだ、ボールだと、常に考えています。

上空の風向きや太陽の位置、人工芝の球のころがり具合は理科であり、力学との関わりもある。
そこに確立と統計学も加わります。
第一打席、第二打席、その日、その打者がどんな打ち方で、どんな結果を出してきたのかを記憶し分析して、それを生かして判断をしなくてはいけない。さらに投手のローテーションによって生じる組織力学の変化もあるでしょう。

試合中は脳体一致で、山のような計算をしています。」

すごい量ですね! 野球の試合中は、無意識のうちに算数(数学)や理科の要素を使って、脳をフル回転させていることがわかります。

だからこそ深代さんは、スポーツを頑張っている子は、「スポーツのできる人間は、勉強もできる」を身をもって証明できるはずだから、自信をもってほしいと書かれています。

野球だけでなく、鬼ごっこは速度と予測力、かくれんぼは角度、サッカーは角度と飛距離、ボールを投げるスポーツ全般は空間認識能力など、スポーツや遊びを通して鍛えられる算数力(しかも大きくなってからでは伸びない力)はたくさんあります。

習い事で迷っている時に読んだ『頭のいい子が育つ習い事』(東大家庭教師友の会)という本もおすすめです!

さまざまな習い事(スポーツ以外も含む)に対して、実際に打ち込んできた東大生の客観的な分析が載っていて面白いです。
こういう力が身についた、受験に役立ったなど情報豊富なので、ぜひ興味のある方は読んでみてください。

文部科学省の統計を見ると、中学時代に運動部に入っていることと、偏差値の高い高校に進学することは、相関関係にあります。

また、都道府県ごとに体力と学力を調査した結果からは、小学校・中学校では、運動ができる子どもは勉強もできるということがわかっていて、アメリカの調査でも同じ結果になっています。

「スポーツバカ」など中傷的な言葉がある一方、スポーツだけでなく勉強も頑張る子は、相乗効果で脳を鍛えることになるので、まさしく「文武両道」の人生を歩めそうです。

近年は、東大から野球選手・サッカー選手になったり、アメリカで金メダリストが医師や弁護士など新たなステージに挑戦して話題になっていますね。

運命のスポーツと出会うには、子どもをよく知ることが大事

世の中にはたくさんのスポーツがあります。個人スポーツと団体スポーツ、道具を使うもの身体だけを使うもの…
子どものもって生まれた「得意」や「好き」を見極めつつ、向いているスポーツとうまく出会わせてあげるのは、なかなか難しいことです。

長男(現在小3)の話になりますが、どなたかの参考になれば…。
ハンドボールという心から楽しめるスポーツに出会って、週に2回仲間と切磋琢磨していますが、出会いは本当に偶然でした(NHKの地域ニュースで紹介されていたのをきっかけに、おそるおそる体験へ→気に入って即入会)

小さい頃からアスレチックや木登りが異様に得意な子でした。
臆病さがなく、バランス感覚が優れている反面、俊敏性や瞬発力は足りないと感じていました。

水泳は小学校の授業だけでは習得できないとわかっていたので、親の意向で始めました。
そこまで好きという感じではありませんが(苦笑)、今も週1で続けています。

くるくる回ったりすることに恐怖心がなさそうだったので、3年間体操教室にも通いました。
全身を使った準備運動、鬼ごっこ、鉄棒・跳び箱・マット運動、どれもプレゴールデンエイジの運動としてはとても効果的だったと思います(ハンドボールのコーチから「体操のおかげで運動神経が整っている」と評価されました)

ですが、体操競技に対する熱意や好きという気持ちは高まることなく…、小1から違うスポーツを探すことに。
登るのが得意なので、地元のボルダリング教室に入会し、専用のシューズも購入しましたが、1カ月ほどで見切りをつけるという結果に終わりました…。

初回から上手に登っていて、先生からは「賢いからボルダリングに向いている」「上を目指せる!」とほめられていただけに、親の欲目も出てなぜ?と思いましたが、本人は完全にNO。
本人曰く、一人で黙々と上を目指して登り続けるのはしんどい。もっと仲間とわいわいやるのがいい、とのこと。

そこで、しばらく水泳だけにして別のスポーツを探していた時に、突然目に飛び込んできたのがハンドボールでした。

ハンドボールは団体スポーツなので、長男の望み通り仲間とわいわいプレイできています。
「走る・投げる・跳ぶ」という3つの要素が詰まった魅力的な球技なので、体操などで培ってきたバランスの良い運動能力を生かすことができました。

探している時期に参考にしていた本が、ゴールデンエイジのところでも紹介した『子どもが伸びる運命のスポーツとの出会い方』です。

「運動能力簡易チェック」がついていて、持久力・反応力・バランス力・ジャンプ力・スイング力・敏捷性・ステップ力・走力のうち、どれが得意なのか家庭で確認することができます。

得意な部分を生かせるスポーツがたくさん紹介されているので、参考になりました。
苦手な部分を伸ばすための、公園でできるトレーニング方法(どれも親子遊びの延長)なども紹介されています。

この本でもう一つ印象だったのが、伸ばしたいスポーツがあるなら、他のスポーツも本気で取り組ませるべきということ。
複数のスポーツを組み合わせることで、偏りなく運動能力を高められます。

個人スポーツ(本人の努力で上達)と、団体スポーツ(周囲とのコミュニケーションが重要)も、両方取り組むと相乗効果で伸ばせるそうです。

長男の場合、水泳(個人スポーツ)×ボルダリング(個人スポーツ)は、組み合わせ方が悪かったと反省しています。
もともと人と関わるのが好きな子なので、水泳(個人スポーツ)×ハンドボール(団体スポーツ)の組み合わせの方が能動的に取り組めるようです。

次男は年中ですが、最近うんていや鉄棒、ジャングルジムなどのアスレチックが得意になってきました。
人と関わるのが好きな性格もやっぱり似ていて、鬼ごっこが大好きです。

意欲的になってきたので、水泳の他、この夏から体操教室にも通い始めます。
プレゴールデンエイジにたくさん身体を動かして、小学生になったらお兄ちゃんと一緒にハンドボール選手になってもらえたらいいな(思う通りにいくかはわかりませんが)

みなさんもお子さんの特性をよく観察して、「得意」「好き」を伸ばせるスポーツをぜひ見つけてください。
すんなり見つからなくても、いろいろなスポーツにチャレンジすることは決して無駄になりません。

▼ご家庭で使える運動グッズをまとめました。おすすめのスポーツ絵本もご紹介しています!

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