普段の読み聞かせの中に、ぜひ取り入れてほしいのが「昔話絵本」です。
書店に並ぶ新しい絵本に比べると地味ですが、知恵や教訓が散りばめられたお話は、子どもの頃に読むことで得るものがたくさんあります。
この記事では、1〜2年生向けの昔話・世界の名作絵本をご紹介します。
目次
なぜ「昔話絵本」を読む必要があるの?
昔話は「民話」と呼ばれるものの一つで、普通の創作絵本とは違います。
長い年月にわたって受け継がれてきたお話なので、昔の人たちの知恵や教訓がたくさん詰まっているんです。
親子で昔話絵本を読むことで、普段の生活で伝えるのが難しい困難の乗り越え方や人生の教訓などを、子どもたちに伝えることができます。
くわしくは下の記事に書いてるので、読んでみてください。「ダイジェスト絵本」についても書いています。
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書店に並ぶ新作絵本に比べると、少し古めかしく思える「昔話」ですが、読んでみると心の深い部分が満たされる面白さがあります。また、子どもの頃に読む昔話には、成長…
この記事では、1〜2年生向けの昔話・世界の名作絵本をご紹介します。
読んでおきたいレベルを、★印で表したので、ぜひ参考にしてくださいね。
★★★ 読み逃したくない作品
★★ 余裕があれば読んでほしい作品
★ そこまでメジャーではないけど面白い作品
1〜2年生向け 昔話・世界の名作絵本リスト(20冊)
『赤ずきん』グリム童話、バーナディット・ワッツ /絵 ★★★
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【内容】36ページ
有名なグリムの赤ずきんのお話を、昔話のこわさ、おもしろさをそこなわないよう原作に忠実に訳しました。
はなやかな色彩の新鮮な絵が、美しいドイツの森深く、読者をさそいこみます。(ほるぷ出版)
【読んでおきたいレベル】★★★
『アリババと40人のとうぞく』R•マン /文、E•ルザッティ /絵 ★★
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【内容】
出版社情報なし(ほるぷ出版)
【manpukuポイント】
イスラム世界に伝わるお話。厳密にはアラビアン・ナイト(千夜一夜物語)ではないそうです。
いろいろな出版社から出ていますが、この絵本はルザッティの絵が秀逸です。
【読んでおきたいレベル】★★
『こぶとり』おおかわ えっせい /文、おおた こうし /絵 ★★★
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【内容】36ページ
てんぐにこぶを取ってもらって大よろこびのおじいさん。
それをきいた隣のじいさんもさっそく出かけてみたが…。(ポプラ社)
【読んでおきたいレベル】★★★
『したきりすずめ』まつたに みよこ /文、むらかみ こういち /絵 ★★★
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【内容】36ページ
舌を切られたすずめをたずね歩くやさしいおじいさん。
そして、舌を切ったおばあさんがもってきたつづらの中味は…。(ポプラ社)
【読んでおきたいレベル】★★★
『みにくいあひるの子』アンデルセン、S•オットー /絵 ★★★
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【内容】30ページ
あひるのたまごの中に1つ、白鳥のたまごがまぎれこんでしまいます。
やがて生まれてきたひなたちの中で、1羽だけいたみにくいあひるの子が苦難の道をあゆみ、やがて美しい白鳥に成長する過程を描きます。(ほるぷ出版)
【読んでおきたいレベル】★★★
『やまんばのにしき』松谷みよ子 /文、瀬川 康男 /絵 ★
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【内容】40ページ
「ちょうふくやまのやまんばが、こどもうんだで、もちもってこう」秋田につたわる、豪快でしかも人間味を感じさせる民話。(ポプラ社)
【読んでおきたいレベル】★
『びんぼうがみと ふくのかみ』富安 陽子 /文、飯野 和好 /絵 ★★★
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【内容】32ページ
福の神を追い出し、貧乏神をまるごと受け入れるおおらかな夫婦。どこか憎めない貧乏神。両者のやりとりが、ゆかいなお話です。
富安陽子先生の軽快な文章と、飯野先生の大胆な絵が見事にマッチした作品です。(小学館)
【manpukuポイント】
徳を積むことを良しとする日本らしい昔話。
「ねぎぼうずのあさたろう」シリーズで有名な飯野さんの絵が味わい深い作品です。
【読んでおきたいレベル】★★★
『あおい鳥』メーテルリンク /原作、いもと ようこ ★★★
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【内容】32ページ
しあわせの青い鳥を さがして、チルチルとミチルは いろんな国をたずね歩きました。
でも、どこにも 青い鳥は いませんでした。そして、やっと 気づいたのです。
しあわせの青い鳥は、ずーっと前から 自分のうちに いたんだ…と。(金の星社)
【読んでおきたいレベル】★★★
『三ねん ねたろう』大川 悦生 /文、渡辺 三郎 /絵 ★
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【内容】40ページ
「うちのむらには、ねたろがござる」とこどもらがうたった。
しかし、そのねたろうが村のためにはたらくというお話。(ポプラ社)
【読んでおきたいレベル】★
『かぐやひめ』舟崎 克彦 /文、金 斗鉉 /絵 ★★★
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【内容】32ページ
『竹取物語』もしくは『竹取の翁物語』と言う名で、長い間日本人に親しまれてきた、日本最古の創作物語のひとつです。
舟崎先生の流麗な文章と金斗鉉先生の繊細で美しい絵が、読む者を平安の昔へと、誘います。(小学館)
【読んでおきたいレベル】★★★
『つるのおんがえし』磯みゆき /文、黒井 健 /絵 ★★★
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【内容】32ページ
傷ついた鶴を助けた若者のもとに、美しい娘が現れます。やがて若者と娘は夫婦として幸せな暮らしをおくるのですが。
ある日、娘は貧しい若者のために、機を織ります。「けっして機を織っているところをのぞかないように」と言って。
『鶴女房』として、全国に伝わる悲しいお話と、黒井健先生の絵がみごとにマッチした作品です。(小学館)
【manpukuポイント】
山形県に伝わる民話だそうです。
【読んでおきたいレベル】★★★
『ジャックと豆の木』イギリスの昔話、ジョン・シェリー ★★★
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【内容】44ページ
だれでも、一度は聞いたり読んだりした記憶のあるお話「ジャックと豆の木」が、すばらしい絵本となって登場します!
再話と絵は、英国人の作家ジョン・シェリーさん。ご自分が小さいときから耳にしていた「ジャックと豆の木」を、余すところなく表現しきってくださいました。
見るも恐ろしい「人食い鬼」、そして、生き生きとした少年「ジャック」、絵を見るだけでどきどきします。子どものたちの心に残る1冊です。(福音館書店)
【読んでおきたいレベル】★★★
『金のがちょうのほん』レズリー・ブルック ★★
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【内容】100ページ(短編集です)
心やさしい青年が手にした金のがちょうをきっかけに成功する『金のがちょう』、
女の子が入った家はなんとくまの家、そこに3びきのくまが戻ってきてびっくり! 『三びきのくま』、
三番目のこぶたは、知恵と勇気でおおかみに大逆襲する『三びきのこぶた』、
おやゆびくらい小さな男の子トムのおはなし『親ゆびトム』というイギリスの昔話4編を収録。
肖像画家だったレズリー・ブルックが細部にわたって楽しめる絵をつけました。(福音館書店)
【読んでおきたいレベル】★★
『アラジンとまほうのランプ』馬場のぼる ★★
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【内容】56ページ
叔父と名乗る怪しい男の手引きで、古びたランプを手に入れたアラジン。それは、こすると魔物が現れ、何なりと望みをかなえてくれる魔法のランプなのでした。ハラハラドキドキのランプの争奪戦が繰り広げられます。(こぐま社)
【manpukuポイント】
アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)の一つ。ディズニー映画も面白いですが、アラジンの印象が少し変わるかも? 馬場さんの描く登場人物たちの表情に和みます。
文章が長めなので数日に分けて読むといいです。
【読んでおきたいレベル】★★
『かもとりごんべえ』令丈ヒロ子 /文、長谷川 義史 /絵 ★★
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【内容】36ページ
いっぺんに100羽のかもを採ろうとしたごんべえは、あと一歩のところで失敗。気づいたかもが、いっきに飛び立つと、ごんべえもそれに連れられて空の上…。
ありえない展開のおかしさが、大阪弁で繰り広げられる文章と相まって不思議な魅力満載の昔話。ごんべえが、あれよあれよと飛ばされていくスピード感が読む者を惹きつけます。笑えるオチで締めくくられる、なんとも楽しいお話です。
小学生に絶大な人気を誇る作家・令丈ヒロ子氏による読みやすい文章と、全国の子どもたちに絶大な人気を誇る絵本作家・長谷川義史氏による楽しさいっぱいの絵でおくります。
全かな、4・5歳児向け。(講談社)
【manpukuポイント】
和歌山県に伝わる民話。この絵本は大阪弁で書かれているので、読み聞かせが楽しいです。
【読んでおきたいレベル】★★
『ぶんぶくちゃがま』富安 陽子 /文、植垣 歩子 /絵 ★★
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【内容】32ページ
茶釜に化けたたぬきのかるわざをごらんあれ
お寺に迷い込んだたぬき、人に見つかりそうになり茶釜に化けたのはよかったが、火にかけられて熱い熱いところげまわるうちに、もとのたぬきに戻れなくなってしまいます。
古道具屋の親父さんに拾われたたぬきは、お礼に軽業の芸を見せて大人気。大もうけした後は、お寺でのんびりと暮らしたということです。
館林市の茂林寺に伝わる伝説をもとに、動物の恩返しのお話が融合して、愉快な昔話になって伝わってきたということです。(小学館)
【manpukuポイント】
茂林寺は群馬県にあって、分福茶釜の実物も見られるそうですよ。いつか行けたら、絵本の世界と実体験がつながりますね。
【読んでおきたいレベル】★★
『さんまいのおふだ』石崎 洋司 /文、大島 妙子 /絵 ★★
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【内容】36ページ
おしょうさんのおつかいに、山の奥へ入っていったこぞうさん。暗くなって一晩泊めてもらった家は、なんとやまんばの家だったのでした…。
おふだでピンチを切り抜けるシーンは爽快で、おしょうさんとやまんばが対峙する結末も鮮やかな、楽しい昔話。
昔話に造詣が深く、小学生に絶大な人気を誇る作家・石崎洋司氏による読みやすい文章と、あたたかい筆致でファンをひきつける絵本作家・大島妙子氏による絶妙なおそろしさの絵でおくります。
全かな、5~6歳児向け。(講談社)
【manpukuポイント】
妖怪や化け物が好きな子は必読です。手に汗握る展開が見事なお話。
【読んでおきたいレベル】★★
『一休さん』寺村 輝夫 /文、ヒサ クニヒコ /絵 ★★
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【内容】111ページ(短編集です)
「うしろむきでおきょう」「はしをわたるべからず」「くたくたくった」「見ても見ぬふり」「びょうぶのとら」などの9編。(あかね書房)
【manpukuポイント】
「寺村輝夫のとんち話・昔ばなし」シリーズの一冊。一人読みの練習にもぴったりの短編集です。
一休さんの有名なお話がしっかり入っています。
【読んでおきたいレベル】★★
『はだかのおうさま』アンデルセン童話、バージニア・リー・バートン /絵 ★★★
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【内容】48ページ
はだかの王さまときくと、なぜかでっぷり太った姿を思い浮かべますが、バートンの王さまは、すらりとした気品のある王さま。
本全体が、ミュージカルの舞台を見るような美しい展開です。(岩波書店)
【読んでおきたいレベル】★★★
『うりこひめとあまんじゃく』稲田 和子 /再話、小西 英子 /絵 ★★★
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【内容】32ページ
川で洗濯をするおばあさんのもとに、瓜が流れてきました。
家に持ち帰ると、瓜の中から小さい女の子が現れたので、その子を瓜姫と名づけ育てます。
器量よく成長した瓜姫はお殿様のもとへ嫁入りすることになりましたが、ある日、ひとりではたを織っていると、あまんじゃくにさらわれ、木にくくりつけられてしまいます。
いよいよ嫁入りの日、あまんじゃくは瓜姫になりすまし、嫁入りのかごに乗っていこうとしますが…。(福音館書店)
【読んでおきたいレベル】★
次回の記事が最後です。3〜5年生向けの昔話・世界の名作絵本をご紹介します。
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