普段の読み聞かせの中に、ぜひ取り入れてほしいのが「昔話絵本」です。
書店に並ぶ新しい絵本に比べると地味ですが、知恵や教訓が散りばめられたお話は、子どもの頃に読むことで得るものがたくさんあります。
この記事では、3〜5年生向けの昔話・世界の名作絵本をご紹介します。
目次
なぜ「昔話絵本」を読む必要があるの?
昔話は「民話」と呼ばれるものの一つで、普通の創作絵本とは違います。
長い年月にわたって受け継がれてきたお話なので、昔の人たちの知恵や教訓がたくさん詰まっているんです。
親子で昔話絵本を読むことで、普段の生活で伝えるのが難しい困難の乗り越え方や人生の教訓などを、子どもたちに伝えることができます。
くわしくは下の記事に書いてるので、読んでみてください。「ダイジェスト絵本」についても書いています。
あわせて読みたい
子どもの頃に読んでおきたい「昔話絵本」の魅力【小学校受験対策にも】
書店に並ぶ新作絵本に比べると、少し古めかしく思える「昔話」ですが、読んでみると心の深い部分が満たされる面白さがあります。また、子どもの頃に読む昔話には、成長…
この記事では、3〜5年生向けの昔話・世界の名作絵本をご紹介します。
読んでおきたいレベルを、★印で表したので、ぜひ参考にしてくださいね。
★★★ 読み逃したくない作品
★★ 余裕があれば読んでほしい作品
★ そこまでメジャーではないけど面白い作品
3〜5年生向け 昔話・世界の名作絵本リスト(21冊)
『あかいくつ』アンデルセン、神沢 利子 / 文、岩崎ちひろ /絵 ★★
リンク
【内容】35ページ
赤いダンス靴で教会へいった少女がたどる、哀しくふしぎな運命。アンデルセン童話の幻想性豊かな世界が美しく描かれています。(偕成社)
【読んでおきたいレベル】★★
『いばらひめ』エロール・ル・カイン ★★
リンク
【内容】32ページ
「息をのむほど美しい」「夢のよう」との溜め息続々、1976年の初版刊行から39年間愛され続けてきたロングセラーが、いま、美しい印刷で生まれ変わります。
「イメージの魔術師」と呼ばれた絵本作家エロール・ル・カインの代表作のひとつを、原書の色を再現した改訂新版でお届けします。(ほるぷ出版)
【読んでおきたいレベル】★★
『えすがたあねさま』大川 悦生 /文、梅田 俊作 /絵 ★
リンク
【内容】36ページ
みとれてばかりいて仕事をしないあにさんに、美しいあねさまは、自分の姿を絵にかいて持たせてやることにしました。(ポプラ社)
【読んでおきたいレベル】★
『かえるの王女』ロシアの昔話、タチャーナ・マーヴリナ ★
リンク
【内容】96ページ
出版社情報なし(ほるぷ出版)
【manpukuポイント】
ロシアの昔話が6編入った短編集で、どのお話も面白いのでぜひ読んでほしいです。
古い絵本ですが、色鮮やかでレトロな雰囲気の絵が合っていて素敵です。
【読んでおきたいレベル】★
『白雪姫と七人の小人たち』N•エコーム バーカート /絵 ★★★
リンク
【内容】32ページ
「白雪姫」はだれでも知っている有名なグリム童話で、今までにもおおぜいの人が絵本にしたり、さし絵を描いたりしている。でも、このバーカートの絵は劇中に引き込まれる思いがする。(冨山房)
【manpukuポイント】
とても美しい絵本でメルヘンの世界に引き込まれます!
【読んでおきたいレベル】★★★
『人魚姫』アンデルセン、M•マローニー /再話、ラズロ・ガル /絵 ★★★
リンク
【内容】
出版社情報なし(ほるぷ出版)
【manpukuポイント】
絵画のような美しい絵本です。
【読んでおきたいレベル】★★★
『ねむりひめ』グリム童話、フェリクス・ホフマン /絵 ★★★
リンク
【内容】32ページ
子どもがいない王さまとお妃さまのもとに、待望の女の子が生まれました。
そこで、王さまは盛大なお祝いをひらき、うらないおんなたちを招待します。うらないおんなたちは、次々に王女に贈りものをしまが、ひとりだけ招待されなかったことを恨みに思った13番目のおんなが「ひめは、15になったら、つむにさされて、たおれてしぬぞ! 」と叫びます。
うらないを恐れた王さまとお妃さまは、姫をお城の塔にとじこめてしまいます。(福音館書店)
【読んでおきたいレベル】★★★
『灰かぶり』グリム童話、スベン・オットー /絵 ★★★
リンク
【内容】24ページ
まま母とふたりの姉たちに召使いのようにこき使われている少女。
あるとき、王子さまの花嫁を選ぶパーティが、お城で三日間ひらかれることになり…。(評論社)
【manpukuポイント】
シンデレラのお話はシャルル・ペローによるものが有名ですが、グリム兄弟の灰かぶりは、より原話に近いのではないかといわれています。ぜひ違いを感じながら読んでみてください。
【読んでおきたいレベル】★★★
『ヘンゼルとグレーテル』グリム童話、S•ジェファーズ /絵 ★★★
リンク
【内容】32ページ
森のはずれに貧しい木こりのうちに、ヘンゼルとグレーテルという幼い兄弟がおりました。
ある年村をおそったききんにかこつけて、ふたりは森に捨てられてしまいます。
だんだんと歩みを進めるうちに夢のようなお菓子の家に出会いますが…。
詩情あふれる美しい絵は大人でも楽しめます。(ほるぷ出版)
【読んでおきたいレベル】★★★
『ラプンツェル』グリム童話、B•ロガスキー /再話、T•S•ハイマン /絵 ★★★
リンク
【内容】
出版社情報なし(ほるぷ出版)
【読んでおきたいレベル】★★★
『ハーメルンの笛ふき』ドイツの伝説、サラ&ステファン・コリン /文、エロール・ル・カイン /絵 ★★
リンク
【内容】33ページ
世界中で親しまれているハーメルンの笛吹きおとこのお話を中世の雰囲気をそのままに表しました。
「ほんとうは何がおこったのか?」という文章で、この伝説を歴史や風土にあわせて語っていきます。(ほるぷ出版)
【読んでおきたいレベル】★★
『ゆきおんな』中脇 初枝 文、佐竹 美保 /絵 ★★
リンク
【内容】32ページ
吹雪の夜、雪女に命を助けられた男は、数年後の吹雪の夜に美女と出会い、夫婦となります。
そして幾年かが過ぎた吹雪の夜…。雪国に伝わる怖ろしくも哀しい物語を、中脇先生と佐竹先生のコンビでおおくりします。(小学館)
【読んでおきたいレベル】★★
『かじかびょうぶ』川崎 大治 /文、太田 大八 /絵 ★
リンク
【内容】32ページ
なまけものの菊三郎は、山も畑も売りつくして、とうとうかじかざわを売ることに。ところが…。(童心社)
【読んでおきたいレベル】★
『くるみわり人形』E.T.A.ホフマン /文、アリソン・ジェイ /絵 ★★★
リンク
【内容】34ページ
雪のクリスマスイブ。クララは名付け親から、くるみわり人形をもらいました。
真夜中、クララがねずみの王の攻撃から人形を助けると、人形は呪いがとけて、王子の姿になり、クララはお菓子の城に招待されて…?
バレエで知られる物語に、英国で人気の画家が絵をつけました。訳は詩人の蜂飼耳。(徳間書店)
【読んでおきたいレベル】★★★
『スーホの白い馬』モンゴル民話、大塚 勇三 /再話、赤羽 末吉 /絵 ★★
リンク
【内容】48ページ
昔、モンゴルの草原にスーホという少年がいました。ある日、道ばたに倒れていた生まれたばかりの白い子馬を世話し、大事に育てましたが…。
馬と少年スーホの哀切な物語と、モンゴルに伝わる楽器「馬頭琴」の由来が描かれ、感情を揺さぶられるでしょう。
横長の画面を生かし、モンゴルの大平原を舞台に雄大に描ききったこの絵本は、国際的評価を受けています。(福音館書店)
【manpukuポイント】
とても心動かされる作品で、馬頭琴の由来を知ったり、モンゴルの風土を感じることができます。
【読んでおきたいレベル】★★
『マッチうりの少女』アンデルセン、B•レント /絵 ★★★
リンク
【内容】
作品情報なし(ほるぷ出版)
【manpukuポイント】
作者であるアンデルセンの母親の話だといわれています。
少女がマッチを4回擦ると、暖かさ→食べ物→ツリー→おばあちゃんの順で幻を見ます。物質的な欲求から精神的な支えに変化。豊かな時代に生きる子どもたちも、きっと感じるものが多い作品です。
【読んでおきたいレベル】★★★
『イソップのおはなし』小出 正吾 /文、三好 碩也 /絵 ★★★
リンク
【内容】159ページ
イソップの名作を、簡潔で親しみやすい文と、表情豊かな美しい絵で贈ります。55話の代表作をおさめた、何度も読みたくなる1冊です。
収録作品:「ウサギとカメ」「北風とたいよう」「町のネズミといなかのネズミ」「木こりと金のおの」「にくをくわえたイヌ」「ちちしぼりのむすめ」「アリとキリギリス」「オオカミとツル」「メンドリと金のたまご」「ヒツジかいの子どもとオオカミ」など…。(のら書店)
【manpukuポイント】
挿し絵がカラーで読みやすいです。
イソップ寓話は読んでおきたいお話がたくさんありますが、この1冊でカバーできるので便利です。
【読んでおきたいレベル】★★★
『美女と野獣』 アーシュラ・ジョーンズ /文、サラ・ギブ /絵 ★★★
リンク
【内容】32ページ
誰よりも美しい娘、ビューティーとこの世で最もおそろしく、みにくい野獣。
ふたりの心がかよいあったとき、永遠の愛が生まれる…。
サラ・ギブの美しい絵で彩られた究極のラブストーリー。(BL出版)
【読んでおきたいレベル】★★★
『ゆきの女王』アンデルセン童話、バーナデット・ワッツ ★★★
リンク
【内容】24ページ
人の心を氷のように冷えさせるという悪魔の鏡によって、カイはなかよしのゲルダのもとを去り、雪の女王に囚われてしまいました。
ゲルダはカイを救おうと、雪の女王のお城へ旅立ちます。(西村書店)
【読んでおきたいレベル】★★★
『アンデルセン の絵本 野の白鳥』バーナデット・ワッツ ★
リンク
【内容】40ページ
いじわるなおきさき様の魔法で、白鳥に姿を変えられてしまった11人の王子様。
妹のエリサは、お兄様たちを元の人間にもどすために、どんなつらい目にも耐えていかなければなりません。美しい兄弟愛のストーリー。(小学館)
【manpukuポイント】
「白鳥の王子」と同じお話です。ドラマティックな展開が見どころ。
【読んでおきたいレベル】★
『しあわせなおうじ』オスカー・ワイルド /原作、間所ひさこ /文、こみね ゆら /絵 ★★★
リンク
【内容】34ページ
しあわせなおうじの像は、不幸な人々のために、つばめにある頼みごとをします…。ワイルドの残した自己犠牲と、尊い愛の物語。(フレーベル館)
【読んでおきたいレベル】★★★
昔話・世界の名作絵本の年齢別リストは、これで以上になります。
高学年以降は、岩波少年文庫や福音館の古典童話なども読めるようになるので、『オズのまほうつかい』『小公女』『ふしぎの国のアリス』『フランダースの犬』など、名作がひしめています!
小さい頃から昔話の良さを少しずつ伝えることで、高学年以降の読書にうまく橋渡しできたらいいですね。
コメント