子どもの頃に読んでおきたい「昔話絵本」の魅力【小学校受験対策にも】

書店に並ぶ新作絵本に比べると、少し古めかしく思える「昔話」ですが、読んでみると心の深い部分が満たされる面白さがあります。

また、子どもの頃に読む昔話には、成長しても忘れない核となる知恵や教訓がたくさん散りばめられています。
ぜひ年齢に合う昔話絵本も、読み聞かせの中に取り入れてみてください。

小学校受験の対策として、そして一般常識としても大切な昔話。
この記事では、昔話絵本の特徴などをくわしくお伝えします。

目次

昔話の特徴は?

昔話は「民話」と呼ばれるものの一つです(下図参照)。民話には昔話と伝説の2種類あります。

どちらも長い年月をかけて語り継がれてきたお話ですが、「昔話」の一番の特徴は「むかしむかし あるところに…」といった、時間と場所が不明確な一定のパターンがあることです。

反対に「伝説」は、時間・場所・人物などがある程度はっきりしています。そこが2つのちがいです。

時間の感覚がしっかりしていない乳幼児期には、昔話がぴったりです。伝説は就学後にしましょう。

昔話絵本と普通の創作絵本のちがいは?

創作絵本でも長年読み継がれてきたものはありますが、昔話はもっと長い年月にわたって語り継がれてきたお話ばかり。
昔の人たちが生きる上で得た知恵や教訓がたくさん詰まっています

創作絵本も楽しいですが、昔話ならではのメッセージを心の奥にしまうことができるのが、昔話絵本の魅力だと思います

また、昔話は日本だけのものでなく、世界中に数え切れないくらいたくさんあります。
それらが日本語に翻訳されて発売されているので、世界中の昔話を楽しみ、その文化に触れるのもおすすめです。

残酷な描写が心配だけど…

よく昔話の残酷さを心配する親御さんがいますが、その点は心配しなくて大丈夫です。
小さい頃、『おおかみと七ひきのこやぎ』や『赤ずきん』を読んで、残酷だと感じましたか?

子どもは大人のように頭で意味を考えたり、リアルな残酷さを想像したりしながら聞いていません。
心の底の方でメッセージを受け取りながら、お話全体の流れとして楽しみます。

残酷さを取り除いた絵本も売られていますが、それでは昔話特有の知恵や教訓まで薄れてしまうかもしれません。

人生には厳しいこともあるけれど、こういうふうに賢く立ち回れば切り抜けられる!
普段の生活で伝えるのが難しいメッセージを、昔話絵本は子どもたちに伝えてくれます。

さまざまな知恵を蓄えながら成長した子は、実際の生活でも機転をきかせ、賢い判断のできる子になってくれると思います。

昔話絵本の特徴などを押さえたところで、次は、昔から売られている「ダイジェスト絵本」についてお伝えします。

ポプラ社「はじめての世界名作えほん」を購入した感想

『ももたろう』『うらしまろう』『白雪姫』『シンデレラ』『赤ずきん』…、昔話は有名どころを押さえようと思っても、かなりの数があります。

5年前、長男が小学校受験をする際、昔話にまつわる問題が出題されると聞いて、一冊一冊読んでいては「抜け」があるかもしれないと思い、あわてて「ダイジェスト絵本」をそろえました。

他の出版社のものと比べ、当時発売されたばかりだったポプラ社の「はじめての世界名作えほん」(全80冊)をどーんと購入。

一冊400円もしない低価格で、サイズは大人の手の平サイズなので収納もしやすいです。
わたしが購入したセットは、お家型の収納BOXもついていました。

こういった昔話・おとぎ話の「ダイジェスト絵本」は、(わたしが小さい頃だから…)30年以上前からありますね。

「ダイジェスト絵本」は、文章が現代的にアレンジされていたり、長いお話はシンプルになっていたり、絵がアニメ調だったりと、読みやすくする工夫がされています。

これが息子たちに大ヒット。
長男は小学校受験が終わった後も、漫画感覚で読んで楽しんでいました。

全てにルビがふってあるので、一人読みの練習にもなったようです。
長男はこのシリーズのおかげで、昔話・おとぎ話のストーリーが頭に入ったと言っています。

そして今は、もうすぐ小学校受験を迎える次男が大好きで、毎晩1〜2冊ずつ読むのを楽しみにしています。

起承転結がはっきりしていて悪者がきちんと成敗される昔話は、読んでいて楽しいんだなと、息子たちを見ていて実感します。

一冊一冊丁寧に作られた絵本を手渡すことも大切ですが、「ダイジェスト絵本にも良さもある!」というのが、わたしの感想です。

入学後に必要な論理力を鍛える

たくさん昔話絵本を読んだあとは、小学校入試対策の問題に挑戦してみるのもおすすめです。
受験する・受験しないにかかわらず、論理力の基礎をトレーニングすることができ、入学後の学習に役立ちます。

我が家では、PYGLI『能力育成問題集17 童話・昔話』を次男とやっていますが、思い出して考えないといけない問題ばかりで結構面白いです。

一枚ずつバラバラにして、いろいろな種類の問題をホチキスで留めて渡しています。

問題はこんな感じで、イラストをもとに解いていく形式です。
お話の内容や順序をきちんと理解しているか、登場人物や小道具などを覚えているかなどを、チェックすることができます。

本来、絵本を楽しむことと勉強することは分けて考えるべきですが、昔話は一般常識としても押させておきたいこと。
読み聞かせや読書の直後に質問攻めにするのでなければ、問題ないと思います。

昔話絵本で論理力を鍛えるには、次のような点を意識すると効果的です。

●登場人物や小道具を覚える
●こうしたからこうなったという因果関係をつかむ
●場面のつながりや順序を理解する
●お話全体のメッセージを捉える
●(できそうなら)自分の感想や考えを言葉にする

こうしたことを普段から意識している子は、入学後の授業でも先生の指示を理解したり、教科書の内容を正しく読み取ったり、スムーズに学校生活を送れるようになると思います。

ちなみに、紹介したPYGLIの問題集で取り上げられるのは、下の24作品です。
昔話を読み聞かせに取り入れる際の参考になりますね!

【日本昔話】12作品
桃太郎・金太郎・浦島太郎・一寸法師・かちかち山・花さか爺さん・さるかに合戦・ぶんぶく茶釜・うさぎと亀・舌きり雀・こぶとり爺さん・かぐや姫

【外国童話】12作品
ジャックと豆の木・おやゆび姫・白雪姫・赤ずきん・シンデレラ・狼と七匹の子やぎ・三匹の子豚・欲張りな犬・ガリバー・マッチ売りの少女・ピノキオ・大きなカブ

ダイジェスト絵本だけでなく良質な昔話絵本も読んでほしい

ダイジェスト絵本も良いですが、一冊一冊丁寧に作られた昔話絵本は、独特の言い回し・リズムだったり、隅々まで描かれた挿絵だったり、また違った魅力や深い面白さがあります。

息子たちにダイジェスト絵本だけでなく、年齢に合った良質な日本・世界の昔話絵本を読んでほしいと一念発起…!

絵本・児童文学研究センターの良書リストも参考に、年齢ごとの「昔話・名作絵本リスト」を作りました。
ぜひ皆さんのご家庭でも役立ててください。

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