【読書と学力の関係2】言語教育は天才脳づくりの基礎になる【ピグマリオン】

我が家では毎日の読み聞かせと、ピグマリオン幼児家庭学習を2本の柱にして、上記の働きかけをしてきました。
どちらも、どこかに通うことなく、自宅で親ができるのでおすすめです。

今回は、「ピグマリオン・メソッド」開発者の伊藤 恭先生が書かれた、『天才脳の作り方』という本をご紹介します。

ピグマリオンと言えば算数のイメージがありますが、「言語教育は、天才脳を作るための基礎である」と書かれている通り、正しい言語教育にも重きを置かれています。

ピグマリオンに触れたことがない方も、この本は読む価値があると思いますので、くわしく解説していきます。

目次

ピグマリオンってなに? どのような能力が育つのかを、わかりやすく解説します

本の構成はこのようになっています。

序章  天才脳は作ることができる
     〜なぜピグマリオンの子どもたちはすごいのか〜
第1章 天才脳を作るには、まず指先から
第2章 天才脳を作るには、「数字のかたまり」の理解から
第3章 天才脳を作りには、言葉の理解から
     〜早期の英語教育は必要か〜
第4章 学校では 天才脳は作れない
第5章 天才脳の子どもたちは 思いやりを発揮する
(出口 汪さんとの巻末対談つき)

「天才脳」という言葉のインパクトに、私も最初は身構えましたが、決して一部の天才児を育てるための本ではありません。

伊藤先生は冒頭で「天才脳」を、「これからの時代に生きていける脳」「AI時代に活躍する脳」「高い知性だけでなく、豊かな人間性を合わせ持つ、人生を楽しむ脳」と言いかえています。

親ならだれもが願うような、将来社会で活躍でき愛される人間に育てるには、親がどうサポートすればいいか、という視点で最後まで書かれているので、安心してください!

伊藤先生によると、「天才脳」に育てるには、幼児期にいくつかの鍛えるべき能力があり(下図)、そのためのさまざまな教育的刺激が必要です。

本の中で、数論理能力と言語能力は全くの後天的な能力なので、適切な教育なしには身につかないとおっしゃっています。

ピグマリオンショップでは、段階的にたくさんの教材が販売されていて、年齢やその子の発達に合うものを選べるようになっています。

ピグマリオンの基本的な考え方は、教えるのではなく、学ばせる。暗記させるのではなく、創造させる。説明させるのではなく、感じさせる、です。

伊藤先生によるやり方のDVDもついているので、私もそれを見ながら必死にやってきました。

教室のない地域では、自宅で親がやるしかないため、ある程度の苦労と試行錯誤は必要ですが、毎日少しずつ続けていく中で、上の図の能力が着実に育つのがわかります!

長男は年中の冬にスタートし、入学する頃には1万までの加減暗算がでできるようになっていたので、小学校の算数に余裕をもってのぞむことができました。
その上、入学後は、図形能力や目の前の数を量として捉える力、指先の器用さも、同年齢の子に比べ発達していました。

小3の今も続けていて、ポイント学習の「わり算」「分数」や、立体点描写やブロック推理、タイル問題などに取り組んでいます。4桁までの加減乗除なら筆算の必要がなく、頭の中だけで答えを出します。

ときどきやっている4桁の計算。だんだんとミスも減ってきました。
高学年までに、もう少しスピードアップできるといいな。

なにより素晴らしいのは、ピグマリオンの教材で育てた数論理能力は、単なる計算力ではないということ。
自分の目でしっかり観て、量として捉えて、頭の中で操作する(ときには指先を使って試行錯誤する)という、とても本質的な力です。

「数論理能力は、豊かで楽しい数体験をたっぷりとさせることにより、子どもが自分自身で獲得する問題解決能力なのです」

その通りで、教材をやめたからといって、一度高い水準に育った能力は決して消えたりしません(それどころか、子どもの中でどんどん進化してくれるので、親はあとで楽になります)

余談ですが、ピグマリオンを続けると、勉強だけでなく絵画や音楽、ボールを使った競技などの能力も育ちやすくなると言われているので、それらをやろうと考えているご家庭にもおすすめです!
全体を捉える能力は、本当に万能だなと実感しています。

乳幼児期の言語教育は、天才脳をつくるための基礎になる

ピグマリオンは2歳くらいから始めることができますが、最初はすごろくや魚釣り、木のブロックを使った遊びなどから入り、徐々に点描写や数を捉える遊びへと移っていきます。

次男は文字が読めない分、文字以外の情報を読み取る力や記憶力が育っていて、神経衰弱は負け知らず。
観る力を大切にするピグマリオンは合っている気がします。

それらの働きかけと並行して、伊藤先生が重視されているのが、乳幼児期の豊かな言語教育です。

●人間は、考えるために言葉を使います。言葉を使わずに高度な思考はできません。ですから、言葉の遅れが知能の遅れになるのです。

ただし、文字を早く覚えた方がいいという意味ではなく、「音声言語」による周りの人からの積極的な働きかけが大事だとおっしゃっています。

●幼児が言語を獲得するように、言語教育をすればよいのです。音声で意味を伝えること、そして、物事を正確に、言語的に捉えて表現することです。

それらが充分に発達し始めたら、4、5歳頃からは音声言語を文字言語に置き換えるようにすると言語能力を高めるには有益でしょう。

下図の順番で、最初からまとまった文章や意味のある文を用いることで(文字は意味を含まないから)、コミュニケーション能力や社会性の発達も促せるということです。


「乳幼児期における言語教育は、心の通い合う感情の交感の中で、つまりは、歌を歌ってあげたり、絵本を読んであげたりする中で育ちます。」

ピグマリオンの教材は2歳以降になりますが、絵本の読み聞かせや童謡の歌いかけは、0歳からできます。
絵本の読み聞かせは、もちろん親子で楽しむためのものですが、同時に、一番最初に始められる家庭教育でもあることは、間違いなさそうです。

長男のやってきたピグマリオン教材について

長男は小学校受験をしたので、その対策もかねて結構な量のピグマリオン系教材を購入してきました。

今次男が年中で、ピグマリオンを本格的に始めたところなので、ここで一度長男の取り組んできた教材を整理してみたいと思います。

長男
年中3才児のさんすう
年長4才児のさんすう1〜1万の数と計算思考力養成講座 第1講座後期
小1時間の学習かさの学習時間の学習重さの学習
小2かけ算の学習
小3 わり算の学習分数の学習
小4(予定)小数の学習整数の学習

その学年で終えられなかったものは、何年も持ち越して少しずつやっています。
年齢的な発達とも関係するので、あまりにも難しい時は休んだりもしていました。

1万までの計算が終わるくらいから、思考力が一気についてきて、いろいろな種類のパズル問題に取り組ませたかったで急きょ「思考力養成講座」を買い足しました。

次男
年中2才児のさんすう3才児のさんすう
年長(予定)4才児のさんすう・・・

次男は勉強をしたら褒められるということがわかっているので、自分からやりたがります。
数唱は好きだけど、数を量として捉えるトレーニングはまだまだこれから。先は長いです!

長男は上記の講座に加え、「PYGLI(ピグリ)」の問題集もたくさんやりました。
観る力を鍛えられる、ベーシックな問題が揃っています。やっていくうちに「点描写」の効果が大きいことがわかったので、できるだけ毎日やるようにしていました。

目標は、人間能力全般にかかわる能力を育てること!

『天才脳の作り方』は「あとがき」までとても面白くて、学ぶということの本質が文章化されています。
たくさんの親御さんに読んでほしいですが、簡単にまとめると以下のようになります。

私たちの住む世界は、地球の表面=宇宙の一部。宇宙とは、空間と時間のこと。

この空間は、三次元という概念で捉えられる。概念なので、量や数の概念と同じで、人間が自然を捉えるために便宜的に作られた枠組みだから、学習しないと理解できない。後天的につくられるもの。

100人いれば100通りの空間概念があるため、それぞれが違うように現実を捉えているということ。

人は共生していく必要がある。そのためには、すべての人間が生きているこの空間を、できるだけ客観的に捉えなければならない。自分の位置や立場だけではなく、さまざまな位置や立場から物事を考えられる力が必要。

それは、思考力創造力を育てる源になるばかりでなく、人としての思いやりや優しさを生む源でもある。

より高いレベルでの学びを生かすには、歴史的にものを見たり、社会という人間関係の集積からものを見たりするのがよい。

初めてこの「あとがき」を読んだ時、感動しました。
子どもの「なぜ勉強しないといけないの?」という質問に対する、温かな慈愛に満ちた回答になっていると思います。

そして、それらの「人間能力全般にかかわる能力」を、小さい頃から育んでいける「ピグマリオン・メソッド」は、やっぱりすごい!と思いました。

と同時に、なんとなく感じていた「社会科」という教科の大切さも知りました。

長男は小3になり、小1〜2までの「生活科」が「社会科」に変身。
いきなり方角や地図記号などを覚えないといけなくて、若干戸惑っていますが、伊藤先生の「あとがき」の文章を指針に、興味をもって取り組めるようにサポートしたいです!

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